成功を手にするには、16%失敗する必要がある【ライフハック】
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あなたが心から成功したいと望むなら、失敗を気にせず気楽にやることだ。これは、アインシュタインやモーツァルトのような天才たちが実践してきた方法で、「失敗を許容し、時にはゆっくりと進む」ことが必要なのだという。
一見するとパラドックス的なこの手法こそが、私たちの能力を最大限に引き出し、成功へと導くという。
ある研究グループは、成功と失敗の最適なバランスを分析したそうだ。その結果、最適な失敗率は15.87%だと結論づけられたという。
つまり、5~6回に1度の失敗率なら、それを乗り越えることで、成功につながる確率が上がるというのだ。
・アインシュタインとモーツァルトは失敗を受け入れていた
アルベルト・アインシュタインは、アイデア豊富な天才で、すべて大成功を収めているように見える。だが彼にも自身の仕事がうまくいかない時があった。
そんな時は、たとえ仕事の途中でもゴロリと横になって、天井をただながめ、耳をすませて想像をめぐらしていたという。
午後2時、真っ白なボサボサ頭のアインシュタインが、寝っ転がって、なにもない天井を見つめている姿を想像してみて欲しい。この逸話はただの神話ではなく、彼を偉大にした中心的な出来事だ。
アインシュタインは、できないことに無理に抗うのではなく、そうした困難が波のように押し寄せてくるのに身をまかせ、その状態を、精神的に数歩後退して、自分の想像力に耳を傾けるチャンスとしてうまく活用したのだ。
ガチで戦うのではなく、あえて折れることで、うまく失敗する術を学んだといえる。
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同じことは、モーツァルトにも言える。彼は大きな成功と失敗の谷間で、うまいことペースを緩めることができた。
モーツァルトは、自分の最高傑作が、もっとも穏やかで落ち着いているときに生まれることに気づいていた。
「自分が、いわばもっとも自分らしくあるとき、つまり、例えば馬車で旅をしているとき、おいしいごちそうを食べた後でぶらぶら散歩しているとき、眠れない夜など、完全にひとりで、楽しい気分のとき、自分の最高のアイデアがもっとも豊富に湧き出てくるのだ」と書いている。
彼は、次から次へと曲が浮かんでくるという経験をしたのだろうが、その勢いをずっと維持するのは難しい。
壁にぶつかるたびに悪魔と格闘しながら、600曲ものすばらしい交響曲や協奏曲を次々と続けて作曲するようなことはできない。
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アインシュタインのようにモーツァルトも、脱線した心を生産性へと導く一番手っ取り早い方法は、常に力づくで突き進むのではなく、できないこと、失敗も必要であると受け入れることに、気づいていた。
アインシュタインとモーツァルトは、10億人にひとりの天才だ。だから、彼らが失敗をのんびりと受け入れるタイプだったとは驚きかもしれない。
両者ともあるときは内にこもり、静かにして、自分のアイデアをゆったりと落ち着かせることができたのだ。・どの程度の失敗が最適な結果を生み出すのか?
急がず落ち着いた、こうしたやり方の利点のひとつは、失敗する余地を作れることだ。
私たちは、いつもいつも最高の生産性を達成できるわけではないことを受け入れ、高い生産性と低い生産性は別物であることを学ぶのだ。
現代の学習と発達の理論は、進歩は挑戦なしでは不可能なのは確かだと認めているが、それは成功する前に失敗する必要があることを意味している。
数年前、心理学者と神経学者のチームが、完璧な成功と失敗の比率を特定しようとした。
スペクトルの一方の端では、完璧に成功できるが、もう一方の端では、惨めに失敗する。どちらの極も、モチベーションは下がるが、その理由は異なる。
これ以上ないくらい完璧に成功してしまうと、退屈で、刺激がなくなり、どっぷり失敗に陥ると、疲弊し、意気消沈する。
この両極端の間のどこかに、長期的な進歩を最大化できるスイートスポットがある。
言語や楽器など、なにか新しいことを学ぶとき、私たちは自分の能力の限界に挑戦していく。これは、落胆するほど難しくなく、退屈になるほど簡単ではないことだ。と論文著者は書いている。
モチベーションと学習ののための難易度のスイートスポット"ゴルディロックス・ゾーン(居住可能領域)"が存在する、というシンプルな直観が、現代の教育方法の核心なのだ
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・最適な失敗の確率は約16%
研究者によると、最適な失敗の確率は、数字でいうと15.87%(約16%)なのだという。当然、実際の割合は、この驚くほど細かい数字が示す以上にばらつきがある。
調子がいい日は、失敗率が高くなっても許容量があるかもしれないが、落胆したり疲れているときは、失敗なんか絶対したくないと思うかもしれない。
ほかのタスクよりも失敗するの確率が高いタスクもあるため、急いで学習したい場合は、より多くの失敗を受け入れる必要があるかもしれない。その人の性格も重要な要素になってくる。
アインシュタインやモーツァルトは、できなくても鷹揚に構えるという姿勢のおかげで、凡人よりもよりたくさんの失敗をあえて許容した可能性がある。それが、彼らが成功し続けた理由の一部かもしれない。
最適な失敗率15.87%という数字に価値があるのは、これがふたつのことを実現してくれるからだ。
まずは、最適な難易度の基準点を客観的に見られること。5~6回トライして、1回以上失敗する場合は、失敗が多すぎるかもしれない。
まったく失敗しない、めったにに失敗しない場合は、失敗の頻度が十分でないかもしれない。
次に、感情的な観点から言えば、最適な失敗率は、あなたを失敗してもいいんだというおおらかな気持ちにさせる。
失敗することは問題なのではなく、必要なことだと思えるようになる。実際に、天井をぼんやり見つめる瞬間がなければ、アインシュタインもモーツァルトも、いつまでたってもアイデアを生み出せず、成功しなかったかもしれない。
こうした束の間の逸脱や谷間は、障害などではなく、むしろプロセスにおける欠くことのできない要素なのだ。
この15.87%分の1の失敗指標は、とくにテクノロジーのおかげで、成功の定量化が容易になったため、新しいスキルを学ぶときの有効なガイドとなる。
新たな言語やプログラミング、サッカーの新しいテクニック、一定の距離を一定のペースで走る、中断せずに長く瞑想するといったことを学ぶ場合、成功率を数値化することができる。
最初は、失敗率は6分の1よりも高いかもしれないが、そのレベルまで下がっていなければ、成功するための失敗が多すぎることになる。
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・この失敗率は組織にも適用される
同じルールは組織にも適用される。組織がある程度の失敗を許容すれば、その組織として最大限の成果をあげることができるのだ。
スマートフォンが台頭する10年前の1990年代後半、モトローラは、イリジウムという衛星電話プロバイダーをたちあげた。
このイリジウムは当初の計画では、地球のまわりを周回する77個の衛星ネットワークが必要だったため、原子核のまわりを77個の電子が周回している、元素周期表77番目のイリジウムにちなんで、この名がつけられた。
地球上のどこにいても完璧に受信できるグローバルな電話ネットワークと、通話料金の低価格を売り物にしていた。
今日でも、もっとも高性能なスマホでさえ、数十年も昔のイリジウムのテクノロジーにたちうちできない。
イリジウムの株が出回ると、ウォール街のお歴々たちは狂喜乱舞し、明瞭な音声通話と完璧な接続を重視したモトローラの携帯電話は、法外な高額になった。
イリジウムの幹部は、製品の欠陥に関してゼロ容認(小さな違反に対しても法律・罰則を適用する方針)を採用したが、それはユーザーが望んだことではなかった。
彼らは、大幅に安い電話機やサービスプランと引き換えに、多少音声が聞こえにくても、通話切れが多くなっても、そちらのほうを受け入れたかったのだ。
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・重要なのはうまく失敗すること、失敗を容認すること
いつも行き詰るのは必ず、あまりにも完璧を頑固に追求しすぎることだ。
なにもかもを完璧にはできない、挫折や後退はある程度必要なものだと考えると、次に出てくる問題は、それにどう対処するかということだ。
物事が思ったとおりに進まない15.87%の場合に、どうやってその状態とつきあうか?
答えは、ただ単に失敗するだけでなく、うまいく失敗することだ。天才と呼ばれる人たちは、ほかの誰よりも失敗するのがうまく、ただでは転ばないのだ。
追記:(2023/06/20)タイトル・本文を一部訂正して再送します。
References:To be successful, you need to fail 16% of the time - Big Think
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