ある意味グロイ! マッチングアプリがつなぐ日常では交わることのない2つの世界 【真夏のシンデレラ#1】 (4/5ページ)
一方健人は、全てが当たり前に揃った環境で過ごし、栓抜きを初め、モノがないなんてことのない、不自由ない暮らしを送ってきたのでしょう。そして、瓶のふたがナイフで開くとなれば、その原理もしっかり検証したがります。一方夏海にとっては原理なんかより開くことが大事。
理論で生きる健人にとって、感覚で生きる夏海は、今まで出会ったことのない驚きと新しさを与えてくれる存在なのでしょう。ましてや親の敷いたレールに沿って生きている中で、レールには絶対に存在しなかった出会いです。このギャップが健人にとっては新鮮で、心惹かれる要因になっていくのでしょうね。
江ノ島から帰らない! という健人の決断も、もしかすると初めて親のレールから少し逸れる行動なのかもしれません。
■2つの世界線で生まれるくじらのプレゼント
壊れたビーサンを何度も何度も直しながら使っていた夏海。せいぜい1,000円くらいのビーサンを買い替えないのは、物を大切に使う夏海のポリシーの表れなのか、それとも貧しさの描写なのか。
ある日健人はビーチサンダルを夏海の誕生日プレゼントとして贈ります。しかも夏海の好きなホエールテールのモチーフつきのもの。夏海が幼馴染の匠(神尾楓珠)に直してもらいながら長年使っていた壊れたビーサンを、いとも簡単に新しいものにしてくれた健人。一方、匠もビーサンのことは分かっていたはずなのに、「お金がないから」とプレゼントは木彫りのくじら。この対比もまた、えぐいなと。
欲しかったビーサンにくじらの付加価値をつけて、簡単にプレゼントしてくれる健人と、お金はないながら、気持ちを込めてくじらを手作りしてくれた匠。2つの世界線で生まれる、お金の格差の見えるくじらのプレゼントな訳です。どちらにときめくか、人によって解釈が分かれそうなのも面白いですね。
にしても壊れていることを知っていてのビーサンプレゼント。