補聴器早期装用の重要性や海外も注目「リスニングエフォート」など聴覚ケアの最新研究と補聴器テクノロジーについてのシンポジウムが開催 (2/2ページ)
内田氏は「講演で高齢者と小児の両方への実耳測定が示されましたが、自分で症例などを表現できない方に非常に有効かと思いましたがどうでしょうか?」と問いかけると、防衛医科大学校病院の水足邦雄氏は「まさにおっしゃる通りです」と肯定し。続けて、「自覚的な反応を使わなくても良いことが実耳測定の最大のメリットだと思います。補聴器は音響機械なので、出す音を決めることに関しては脳がどういう状態であろうが音響の部分が変わらないはずです。補聴器により高度な処理をさせようとしたときに、まずきちんとした音響特性が確保できていることが重要性が高まってくるのでは」と、実耳測定の重要性を説いた。
続いて、難聴ケアにおける“リスニングエフォート”の役割について話題が進んだ。リスニングエフォートは「聴覚情報を理解する際、妨害要因を乗り越えるために、意図的に心的リソースを配分すること」で、より簡単に言うと「わかりづらい環境でもがんばって聴くこと」と説明できる。
リスニングエフォートの測定方法やその難しさについて、エリクスホルム研究センターのハミッシュ・イネズ・ブラウン氏は「学校は非常に複雑でたくさんの音がある環境で複雑です。いまのリスニングエフォートの測定方法では、そういった複雑な環境ではうまくいきません。もっと適切な測定方法として考えられるのが、1日のまばたきの数の測定で、心拍数の測定と組み合わせることもできると思います。また、難聴者特有の会話の際の行為を見ることも測定の方法に使えるかもしれません」と口にしていた。