実践者が明かす「フィリピン不動産投資」のメリットと落とし穴とは (2/2ページ)

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他にも総人口1億人を超えながらも、今後も生産年齢となる15~64歳の割合が過半数を超え続ける「人口ボーナス」状態が見込める点も大きい。ただ、もちろんどんな不動産も価格が上昇するわけではなく、日本と比較すると値上がりする不動産が見つかる確率は高いものの、好立地で安価という条件の揃った物件を探すことが求められる。

■「ホテル投資」のメリット・デメリットとは?

前述のようにフィリピンでは外国人は土地を買うことができないため、日本人は必然的にコンドミニアムタイプ(複数の住戸が一つの建物内に存在する住宅形態)の不動産を購入することになる。日本語でいえば分譲マンションをイメージすればいいだろう。

コンドミニアムタイプの不動産には、居住用不動産、ホテル、オフィスなどの形態がある。そのいずれにもメリット、デメリットがある中で町田氏が選んだのが「ホテル投資」だ。

「ホテル投資」とは、1つの部屋を購入し、旅行者やビジネス出張者などにホテルとして貸し出す。1日あたりの収入が高く、利回りが上がる傾向にあることがメリットの一つ。さらに集客はホテル予約サイトに任せることができ、自分で客付けする必要がない。

もちろんデメリットも存在する。まず、物件をホテルとしてリース契約するため、契約が切れるまではその物件に住むことができないこと。2つ目に、購入したホテルによっては想定よりも利回りが出ない可能性があることを町田氏は挙げている。ホテルの運営会社次第で稼働率が変わるため、過去に実績があり信頼できる管理会社を選ぶことが大切になる。

また、本書ではフィリピンのみならず、海外不動産投資全体に通じるリスクについても説明している。例えば「政治的リスク」や「自然災害リスク」、さらにはディベロッパー会社の見極めやお金を持ち逃げしてしまう日本人ブローカーの存在についても言及。初心者はもちろん、ある程度不動産投資に慣れているという人でもハマってしまう落とし穴があることは肝に銘じておくべきだろう。

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本書はフィリピンに在住経験がある町田氏ならではの視点から、フィリピン不動産投資の実際が明かされている。光があるところには影がある。魅力を感じる部分もあるだろうが、その一方でリスクの面にもしっかり目を向けて、現地にも足を運んでおきたいところだ。

海外投資にあまり馴染みがない、どんな感じなのかのぞいてみたいという人にとっても参考になる一冊。知識や情報を得ることは、投資で成功するための第一歩になるはずだ。

(新刊JP編集部)

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