「許せないこと」をどう許す?負の感情から解き放たれる童話(2) (3/3ページ)
北:難しい質問ですね。人は誰しもが苦しむために生きるべきではないと考えています。罪そのものや罪を犯した人を擁護することはしませんが、どんなことでもいつかは気持ちの折り合いをつける日がやってくるとは思います。
程度や内容によって、罪の持つ意味は変わってきます。また、罪を罪とも思わない人もいれば、罪であるとわかっていながらやってしまう人もいる。その意味で罪悪感を抱いて死ぬかそうでないかは、個人の心の選択によるのだと思います。
どんなに罪深い人でも心の自由だけは奪うことができません。罪人は残りの人生を苦しんで生きるべきだという考えを耳にすることもありますが、これも生き方の押し付けです。
――最後にどうしても許せないことがある人にメッセージをお願いいたします。
北:私自身、かつて本当に許せない出来事があって、全身の毛が逆立つほどの怒りを抱いたことがあります。自分で制御できないほどの怒りの感情でした。
その感情と向き合った末、私はその怒りは自分には不要なものだと考えました。それに気づいて、怒りを手放した時は信じられないくらい心が軽くなりました。それほど、怒りの感情は自分の心の足どりを重くしていた。
怒りを鎮めるには、まずは自らの怒りを一つの感情として認めてあげることが必要だと思います。感情とは変化や体験に対する心の変化です。その心の動きを自分の中で注意深く観察し、俯瞰して見守ってあげれば、自分がなぜ怒っているのか、その根元が見えてくるはずです。そこから怒りと向き合うことができます。すぐには許せないことがあっても、ブギーたちの物語や許すという選択肢があるということを思い出してもらえたらうれしいです。
(新刊JP編集部)