充電はこれでOK。体内で発電する生分解性ワイヤレス充電器が開発される
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人間の体内に埋め込む医療用の小さな生体用電子装置「バイオエレクトロニクス・インプラント」の技術はどんどん進んでいる。
今後は体内機能のモニタリングや投薬などにも使用できると期待されている。だがネックとなっているのはバッテリー問題だ。
『Science Advances』(2023年11月15日付)で発表された新しいワイヤレス充電器は、体内で作った電力を直接供給することができるという。
生分解性で柔らかい素材でできており、電気を供給するために体に埋め込んだ充電器は、数か月で完全に溶けてしまい、しかも体に害を及ぼさないという。
・医療用インプラントの課題はバッテリー
ペースメーカーなど、体の機能を補うために人体に医療機器を埋め込むことは、以前から行われてきた。
最近では様々な医療用インプラントが考案されており、盲目やうつ病を治療するものも開発中で、今後は、体の機能をモニタリングしたり、薬を投与したりするための生分解性インプラントが治療の助けになると期待されている。
そうした医療用インプラントの問題点は、電源システムが求められるレベルに達していないことだ。
バッテリー容量が限られているため、短期間しか電気を供給できないうえ、デバイスの機能によってはそもそも電力自体が不十分なこともある。
だからといって、皮膚に大きなバッテリーを取りつけるようなやり方では、炎症を起こす恐れがある。
中国、蘭州大学の研究チームが考案したのは、こうした問題点を解決してくれるインプラント専用ワイヤレス充電器だ。
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・体内で作った電気を利用する生分解性ワイヤレス充電器
新開発のワイヤレス充電システムは、体内で発電する「マグネシウム製コイル」、電気を交流から直流に変換する「整流モジュール」、バッテリーとなる「亜鉛イオン・ハイブリッドスーパーキャパシタ」で構成されている。
これらをポリマーやワックスで作られたシートにデバイスと一緒に載せ、体内に移植する。シートは柔らかく柔軟に曲がるので、複雑な体内でもフィットする仕様だ。
体内のスーパーキャパシタを充電するには、もうひとつのマグネシウム製コイルをちょうどインプラントの上にくるよう皮膚に当てる。
こうすることで、体外のコイルが「送信コイル」として機能し、ワイヤレスで充電することができる。
スーパーキャパシタの特徴の1つは、電気エネルギーをそのまま蓄えるところだ。そのため化学エネルギーの形で電気を蓄える一般的な電池に比べ、素早い充電や放電が可能になる。
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テスト中のインプラント専用ワイヤレス充電器 / image credit:Lanzhou University・ワイヤレス充電器は2か月で完全に溶けて体にも害はない
研究チームがラットで試験してみたところ、ワイヤレス充電器は最大10日間作動し、2ヶ月で完全に溶けたそうだ。
ワイヤレス充電器はマグネシウムと亜鉛でできているが、その量は1日の推奨摂取量(これらのミネラルはそもそも栄養素だ)よりも少ない。だから体内で溶けても無害だという。
またデバイスを包むシートの厚さや化学的性質を変えることで、使用期間などを調整することできるそうだ。
将来有望なデバイスだが、まだ未完成で、さらに多くの研究と試験が必要であるとのこと。
現在の課題は、放っておくとバッテリーが完全に空になるまで動作し続けるため、それをオフにする方法を考案することであるそうだ。
References:A soft implantable energy supply system that integrates wireless charging and biodegradable Zn-ion hybrid supercapacitors | Science Advances / Chinese researchers create a wireless charger for implants / written by hiroching / edited by / parumo
追記(2023/11/23)誤字を訂正して再送します。
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