170年前に沈んだ難破船から引き上げた海底熟成シャンパン、そのお味は? (3/5ページ)
その味は泡に閉じ込められているかのようで、「注いだ時に泡は見られなかったが、テイスティング時にはわずかにピリピリする感じがあった」という。
じつは当初、海底シャンパンを試飲したテイスターたちは、「動物のニオイ」「濡れた髪」「還元」「みすぼらしい」と表現していた。
ところが、それをグラスに注ぎ空気に触れさせると、「スパイシー」「スモーキー」「革のような」と表現される、心地よいアロマを放つようになるのだ。
当時ヴーヴ・クリコの最高醸造責任者だったドミニク・ドゥマルヴィルは、この海底シャンパンを3回試飲し、世界最高のシャンパンのひとつであると断言したという。そのテイストは、「熟した果実」「トリュフ」「ハチミツ」であるそうだ。
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・醸造家たちの間で海底シャンパンがブームに
こうした海底シャンパンに目をつけたのが、各地のシャンパン醸造家たちだ。
ヴーヴ・クリコは、このシャンパンに心を奪われ、ボトルが発見されたオーランド諸島の同じ場所に何十本ものボトルを沈め、同じ状況を再現しようとしている。
深海シャンパンを試しているのはヴーヴ・クリコだけではない。
それどころか、海底シャンパンは、業界で最も急成長している分野であり、大手生産者のほとんどや小さなメゾンまでもが試しているという。
ヴーヴ・クリコはボトルが発見されたバルト海で試している一方、ほとんどはフランス西部のブルターニュ沖に沈められている。
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その需要の大きさは、石油・ガス関連の調査が専門だったフランスの海洋企業が、海底ワイン貯蔵に特化した新部門「Amphoris」を発足させるほどだ。