画像加工で作った「魅力的な自分」を他人は魅力的とは思わない SNS時代の真実 (1/2ページ)
自分の顔を鏡で見ては「俺ってかっこいい?」「私ってきれい」とひそかに喜ぶナルシストでなくても、多くの人にとって自分の顔は誰の顔よりもよく見る特別なものだ。昔の集合写真を見た時に、かつてのクラスメートは顔と名前が一致しなくても、自分がどこに映っているかはすぐわかった、という経験は誰しもが持っているはず。
また、自分の顔と他人の顔を並べて0.02秒というごくごく短い時間表示すると、自分の顔が表示されていた場所に自動的に注意が向いてしまうという。このように人は自分の顔を「VIP扱い」するものらしい。
■SNS時代の常識 自分の写真の加工に潜む落とし穴『顔に取り憑かれた脳』(中野珠実著、講談社刊)は、私たち人間それぞれの顔と脳の関係を考察していく。
たとえば、私たちのほとんどは自分の顔を魅力的に見られたいという願望を持っている。だから、SNSに自分の顔が映った写真をアップする時に、しばしば画像を加工して「自分が考える魅力的な自分」へと近づけてからその画像を公開する。
ただ、加工はついついやりすぎてしまいがち。自分で加工した自分の写真が、かならずしも他人から見て「魅力的」に映るかはわからない。
本書では、こんな実験について書かれている。
30人の女子大生の協力を得て、それぞれの顔写真に人気の顔レタッチアプリで「目を大きく、下あごを細くする加工」を8段階で行った。そして、自分の顔の写真セット(加工の度合1~8)と他人の顔の写真セット(加工の度合1~8)をランダムな順番で見てもらい、それぞれの写真がどれくらい魅力的に見えるかを評価してもらった。
その結果、自分の顔も他人の顔も少しだけ目を大きくした時(加工度合3~4)は、元の顔よりも魅力度の評価が上がったが、それ以上に加工するとかえって評価が下がってしまったという。