大河ドラマ「光る君へ」の主人公・紫式部は本名ではなかった!では本当の名前は……?【前編】 (2/3ページ)
紫式部も清少納言も、朝廷に仕えていました。いわゆる宮仕えですが、この宮仕えをする女性のことを「女房」と呼んだのです。
つまり女房名というのは仕事上の呼び名のことなのですが、これにはその女性の苗字から一文字取ったり、父・夫・兄弟や祖父などの官職の名称を組み合わせたりするのが一般的でした。
『源氏物語』あってこその「紫式部」では紫式部の本名は何だったのかというと、不明です。
これは珍しいことではなく、当時活躍した女性たちの本名がはっきりしているのは、皇后や中宮クラスの高い位の人たちに限られるからです。
すると紫式部という名前の由来は何なのかという話になりますね。
17世紀(江戸時代初期)の紫式部を描いた金箔をはった扇子(Wikipediaより)
実は、紫式部はもともとは藤式部と呼ばれていました。
これは、父親が藤原姓なので「藤」の一文字がつき、さらに父親あるいは兄が式部省というところで働いていたことからつけられた呼び名です。
藤式部が紫式部に変わったのは、『源氏物語』に登場する紫上にちなんだからだという説が有力です。