大河ドラマ「光る君へ」の主人公・紫式部は本名ではなかった!では本当の名前は……?【前編】 (3/3ページ)

Japaaan

紫式部が生み出した『源氏物語』によって、今度は逆に作者の呼び名まで変わってしまったのだから面白いですね。

由来が分かる人、不明の人

ちなみに、父親が式部省の役人だったという点は、歌人の和泉式部も同様です。では和泉の字はどこから来たかというと、これは夫が「和泉国」の国司だったことに由来します。

また、和泉式部の同僚の赤染衛門の場合は、「赤染」は母親の再婚相手の苗字に由来し、さらにその再婚相手の男性が衛門府という役所に仕えていたため「衛門」がついたのでした。

このように、『光る君へ』に登場する主要な人々の名前(呼称)の由来はある程度はっきりしているか、もしくは推測が可能です。

ただ、分からないのが清少納言です。清少納言と言えば、言わずと知れた『源氏物語』と並ぶ平安期の女流文学作品『枕草子』の作者ですが、彼女の名前の由来ははっきりしません。

土井光起『清少納言図』(Wikipediaより)

清少納言は苗字が清原なので、「清」がそこから取られたのはすぐ分かります。しかし「少納言」が分かりません。少納言は天皇のもとで働く官職の一種です。が、彼女の周囲には、少納言に該当する人がいないのです。

よって、清少納言については本名も不明、呼称の由来も不明と、謎に包まれています。
【後編】では、さらに紫式部の娘などについても解説します。

参考資料:
歴史探求楽会・編『源氏物語と紫式部 ドラマが10倍楽しくなる本』(プレジデント社・2023年)

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

「大河ドラマ「光る君へ」の主人公・紫式部は本名ではなかった!では本当の名前は……?【前編】」のページです。デイリーニュースオンラインは、紫式部源氏物語平安時代カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る