三郎(道長)がミチカネの弟だったなんて……大河ドラマ「光る君へ」1月28日放送の重要トピックを振り返り!

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三郎(道長)がミチカネの弟だったなんて……大河ドラマ「光る君へ」1月28日放送の重要トピックを振り返り!

豊明節会で舞を奉納する「五節の舞姫」として選抜されたまひろ(吉高由里子)。

ハレ舞台の観覧席には再び会えずにいた藤原道長(柄本佑)、その隣には母の仇である藤原道兼(玉置玲央)の姿がありました。

家門の権勢に驕り、母・ちやは(国仲涼子)を殺したミチカネ。6年前の記憶がまざまざと甦ったことでしょう。

まさか三郎(道長)が、ミチカネの弟だったなんて……次週も波乱が予想されます。

当の道長が居眠りをしていて、まひろが気づかなかったというのもミソですね。

さて、NHK大河ドラマ「光る君へ」今週も色々ありました。それでは気になるトピックを振り返っていきましょう!

一、花山天皇(本郷奏多)の奇行について

花山天皇(画像:Wikipedia)

永観2年(984年)8月27日に即位した第65代・花山天皇。奇行で知られた第63代・冷泉天皇の皇子です。

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劇中でも高御座(たかみくら。玉座)へ女官を連れ込んで事に及んだエピソードが言及されていましたね。

この他にも即位礼の当日に玉冠が重いからと脱ぎ捨てたり、内裏の清涼殿で馬を乗り回そうとしたりなど、血は争えないものでしょうか。

寝所で藤原忯子(井上咲楽)の手首を結わいていた描写も、その表れと言えそうです。そう言えば以前も母親と娘をそれぞれ妾にして云々とか……。

肝心の政務については「内劣りの外めでた」と評されていました。

民心をつかもうと色々励んでいたようですが、理想主義に走りすぎたのか、朝臣らの尻拭いは大変だったと見られます。

有力な外戚(後ろ盾)がいなかったため、2年ほどで出家・譲位することとなったのでした。

一、花山天皇の側近たち

義懐と惟成(イメージ)

さて、そんな花山天皇を支えた側近として、劇中では叔父の藤原義懐(高橋光臣)と乳兄弟の藤原惟成(吉田亮)が登場しました。

彼らは花山天皇の治世において権勢を誇りますが、その終焉と共に政治の表舞台を去ることになります。

それぞれざっくり見ていきましょう。

藤原義懐(高橋光臣)

天徳元年(957年)生~寛弘5年(1008年)没

花山天皇の生母・藤原懐子(かいし/ちかこ)の弟。花山天皇が即位するや蔵人頭に抜擢され、惟成と共に政治を主導しました。

関白の藤原頼忠(橋爪淳)や右大臣の藤原兼家(段田安則)らと三つ巴の政争を繰り広げます。

そのせいで、当初は革新的な政治を目指していた花山天皇の治世も次第に停滞してしまうのでした。

やがて花山天皇が出家すると、惟成の勧めもあって共に出家。政治の表舞台から去ることになります。

藤原惟成(吉田亮)

天暦7年(953年)生~永祚元年(989年)没

花山天皇の側近として権力を振るい、五位でありながら関白・大臣らをしのぐ有り様に「五位摂政」とあだ名されたと言います。

劇中でもふれていた破銭法や沽売法、そして荘園整理令など、いわゆる「花山新制」における実務を担いました。

破銭法(はせんほう)とはすり減ってしまった鐚銭(びたぜに)の受け取りを売り手が拒否、またはレートを引き上げることを禁止したものです。

また沽売法(こばいほう)とは、いわゆる物価統制令。劇中では布一反を100文、銅一斤を60文としていましたね。

そんな惟成ですが、花山天皇の出家と共に政界を引退。間もなく世を去りますが、こんな逸話がありました。

惟成には貧しい頃から暮らしを支えてくれた糟糠の妻がいたものの、出世のために離縁。源満仲の婿に乗り換えたのです。

妻はこれを怨み、貴船神社に「惟成を乞食にして下さい」と願掛けをしたところ、これが効果てきめん。

托鉢僧となった惟成を訪ねて「それ見た事か」となじったと言います。まさに盛者必衰の理、忘恩の報いと言ったところでしょうか。

一、布一反を百文、銅一斤を六十文

反物。色や文様によって価格が変わることはあったのだろうか(イメージ)

さて、劇中で花山天皇が命じていた布一反が百文、銅一斤が六十文という価格設定。これが沽売法ですね。他の物品についても決めていたと思います。

現代人にはこれがどのくらいの相場なのかピンと来ませんが、調べてみると一文は時代によって令和現代の20~30円に相当するようです。

それに当てはめると、布一反が2,000~3,000円、銅一斤が1,200~1,800ということになります。

ところで布一反とは、およそ幅37センチ×長さ12.5メートルの布で、着物一着を仕立てるのに必要な量なのだそうです。

また銅一斤とは、時代や地域によって差はあるものの、約600グラムとのことでした。

この事から、着物一着の原価は2,000~3,000円、銅600グラムで1,200~1,800円になります。

これに人件費や消耗品費、そして利益が上乗せされて価格が設定されるのですが、実際の服はどのくらいの価格で取引されたのでしょうね。

また、この価格設定を庶民たちがどのように受け入れたのか(好評?不評?)、リアクションも見たかったところです。

平安時代における民の暮らしぶりもなかなか見られないため、これからも楽しみにしています。

一、五節舞について

五節の舞姫装束(画像:Wikipedia)

四人の姫君が天皇陛下や公卿・貴族らの前で披露した五節舞。華やかな装束と優美な所作で観客たちを魅了していたことでしょう。

そんな中で、一人ぎこちなく舞うまひろは、なんと言うか人形浄瑠璃の人形みたいなぎこちなさ。まひろの下手さを巧みに演じている姿が印象的でした。

この五節舞は新嘗祭(にいなめさい)のフィナーレを飾る豊明祭で神々に奉納されるもので、平安絵巻を描く上で欠かせない楽しみと言えるでしょう。

そんな中、居眠りしている三郎と、にっくきミチカネを発見。まひろの煮えくり返る胸中は察するに余りあります。

ただ、「よくそんな余裕があるな」とは感じました。大きな失敗をしないよう一杯々々の状態で、舞台上から観客を一人ずつ見ていく余裕はなかなかないものです。

それでも特に叱責された様子はないことから、気がそぞろであっても無事に舞いあげたのでしょう。

五節舞は新嘗祭のほか、天皇陛下の即位を祝う大嘗祭(だいじょうさい)においても奉納され、今上陛下(現代=令和の天皇陛下)のご即位に際しても披露されています。

皇室に伝わる宮中行事は、その多くが大昔から伝わっているもの。機会があれば、是非とも拝ませてほしいものですね。

第5回放送「告白」

まひろ「母上を殺した咎人のことは許せと」
道長「兄を…知っているのか?」
まひろ「あの日…」
道長「虫けらは…お前だ!」
まひろ「三郎に会いたいって思わなければ…」
道長「俺は…まひろの言うことを信じる」

ついにお互いの正体を知ったまひろと道長。6年前の過去がよみがえり、物語は大きな山場を迎えそうです。ただ、歴史的にはあまり動かなそうですが……。

まひろを想い、兄・道兼を殴り飛ばす道長。果たして次週はどんな展開となるのか、楽しみですね!

※参考文献:

笠原英彦『歴代天皇総覧 皇位はどう継承されたか』中央公論新社、2021年3月 吉重丈夫『皇位継承事典 神武天皇から昭和天皇まで』PHPエディターズ・グループ、2019年2月

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