火星と木星の間にある小惑星帯に元素周期表範囲外の元素が含まれている可能性 (3/4ページ)
それはポリヒムニアが、周期表の範囲を超えた未知の元素でできているというものだ。
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・もっとも重い元素より重い超重元素
知られているものとしては一番重いオスミウムよりさらに重い元素が、自然に安定して存在できるのかについては議論がある。
そのような「超重元素」は、原子核にたっぷり詰まった陽子同士が反発するおかげで、放射性が高く、数ミリ秒以内に崩壊すると考えられる。
だが、周期表の原子番号164付近には「安定の島」と呼ばれる超重元素が存在できる領域があるとする説もある。この陽子の数ならば、元素がたちまちのうちに崩壊せず、短い間なら存在できるかもしれない。
そしてラフェルスキー氏らが導き出した数学的な結論は、この予測と一致するものだ。
ラフェルスキー氏らは、「トーマス=フェルミ模型」という原子についての模型を用いて、超重元素の原子構造を理論化した。すると原子番号が164に近い元素の密度は、1cm3あたり36~68.4gだろうと考えられた。
この数値は、ポリヒムニアの推定密度(75.28g/cm3)に近い。つまり、もし本当に超重元素が存在するのならば、暗黒物質に頼らずともポリヒムニアなどのコンパクト超高密度天体の重さを説明できるということだ。
だからと言って、今の時点でコンパクト超高密度天体の重さが暗黒物質によるものという説が否定されたわけではない。いずれも今のところ仮説に過ぎない。
謎めいた小惑星で一番楽しいのは、その結論がどうなるのかよくわからないことかもしれない。