アマゾンで世界最大級のヘビ「アナコンダ」の新種が発見される

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アマゾンで世界最大級のヘビ「アナコンダ」の新種が発見される
アマゾンで世界最大級のヘビ「アナコンダ」の新種が発見される

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アマゾンでの撮影中に偶然発見されたオオアナコンダは、じつは新種であることが判明したそうだ。

 新種の「キタオオアナコンダ(Eunectes akayima)」は、すでに知られていたオオアナコンダによく似ているが、遺伝的にはヒトとチンパンジー以上に違う別個の種だ。

 発見された種は、全長6.3mほど。だが先住民たちによれば、全長7.5m、体重500kgの個体が目撃されたこともある大蛇中の大蛇だ。

・オオアナコンダは2種存在した
 電光石火のスピードで獲物に巻きついて窒息させ、丸呑みにする。そんな大蛇の象徴のような存在であるアナコンダの中でも、最大の種が「オオアナコンダ(Eunectes murinus)」だ。

 アミメニシキヘビに並び、世界最大のヘビであるオオアナコンダは、全長7m、体重250kgにも達する大蛇の中の大蛇である。

 陸上のヘビだが、水がある環境によく適応しており、アマゾン川・オリノコ川・エセキボ川など、南米の河川や湿地帯に身を潜めては、何も知らない獲物が近寄ってくるのを待っている。

 今回、そのオオアナコンダの遺伝子を調べたところ、すでに知られていた種とは完全に別の新種がいることが明らかになり、『Diversity』(2024年2月16日付)に報告された。

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 新種の学名は「Eunectes akayima」と名付けられた。

 この新種の生息域が北寄りであることから、研究チームは「キタオオアナコンダ(Northern Green Anaconda)」とも呼んでいる。

 すでに知られていた”ミナミ”オオアナコンダ(Southern Green Anaconda)とキタオオアナコンダは、見た目こそよくに似ているが、1000万年前に枝分かれしており、遺伝的な違いは5.5%にもなる。

 ヒトとチンパンジーの違いが2%であることを考えれば、両者がどれほど違うかわかるだろう。

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・撮影中に偶然発見
 なおキタオオアナコンダは、ウィル・スミスが出演するナショナル・ジオグラフィックの『Pole to Pole』シリーズの撮影中に偶然発見された。

 このエピソードでは、アマゾンの川をカヌーで漕いでいる時に遭遇したキタオオアナコンダ数匹が記録されている。

 「私たちが遭遇したメスのキタオオアナコンダは、体長6.3メートルという驚異的な大きさでした」(クイーンズランド大学 ブライアン・フライ博士)[画像を見る]  だが先住民たちの話によると、長さ7.5mを超え、重さ500kgはあるだろうというキタオオアナコンダが目撃されたこともあるのだとか。

 この新種の発見は、頂点捕食者として生態系のバランスを保ってくれるアナコンダを保護するうえでとても大切なことだという。

  アナコンダの個体数が健全であるということは、その生態系には豊富なエサがあり、水もキレイということだ。その逆に、アナコンダが少なくなっているのなら、生息環境に問題があるということになる。

 だから、どの種のアナコンダが、どれだけいるのか把握するのはとても大切なことなのだそう。

 だが残念なことに、アナコンダを取り巻く環境は、農業による土地の細分化・森林火災・干ばつ、気候変動、さらには石油採掘による重金属汚染などによって、悪化の一途をたどっている。

References:Scientists shocked to discover new species of green anaconda, the world’s biggest snake / 26ft-long anaconda discovered in Amazon rainforest is the biggest snake species in the world | The Independent / written by hiroching / edited by / parumo


追記(2024/02/24)1000年前を1000万年前に訂正して再送します。


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