なじみのあるニオイを嗅ぐことがうつ病の症状回復につながるとする研究結果 (2/3ページ)

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photo by iStock・匂いは言葉よりも鮮明に特定の記憶を呼び覚ます
 不透明なガラス瓶に入ったオレンジ、挽いたコーヒー、靴墨、果てはヴィックスヴェポラップ(風邪の諸症状を緩和する軟膏剤)など、アメリカでおなじみの香りを被験者たちに嗅いでもらった。

 そして良いことも悪いことも含めて、なにか特定の記憶がよみがえってきたかどうかを訊ねた。

 すると、言葉よりも匂いのほうが、うつ病患者の記憶の想起がより強いことがわかった。

 匂いを嗅いだ人は、一般的な記憶(例えば、以前にコーヒーショップに行ったことがある)よりも、特定の出来事の記憶(先週の金曜日にコーヒーショップに行った)を思い出す傾向が高かった。

 匂いに刺激された記憶は、より鮮明で臨場感が増していたという。

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photo by Unsplash・なじみの匂いはポジティブな記憶を呼び起こしやすい
 また、被験者にポジティブな記憶を具体的に思い出すよう指示したわけではないのに、結果的には彼らがポジティブな出来事を思い出すほうが多かったことは興味深いという。

 ヤング博士は、匂いが言葉よりも効果的にうつ病患者の扁桃体に働きかけることを証明するために、脳スキャナーを使った技術的に進んだ研究調査を始める予定だが、すでに見られる進歩に興奮を抑えきれないという。

「記憶が改善されれば、うつ病の人がよく経験する問題を解決し、感情を調節でき、その他の機能問題も解消することができると思います」ヤング博士は語る。
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