なじみのあるニオイを嗅ぐことがうつ病の症状回復につながるとする研究結果 (1/3ページ)

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なじみのあるニオイを嗅ぐことがうつ病の症状回復につながるとする研究結果
なじみのあるニオイを嗅ぐことがうつ病の症状回復につながるとする研究結果

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 昔よく聞いていた音楽を耳にすると、当時の記憶がよみがえってくるように、匂い(ニオイ)にも記憶や感情を呼び起こす効果がある。

 なじみのある匂いを嗅ぐと、うつ病の人が特定の自伝的記憶を思い出し、回復を助ける可能性があることが、米ピッツバーグ大学医学部の研究によって発見された。

 うつ病になると、人生における特定の記憶を思い出すのに苦労することがあるが、なじみのある匂いは、楽しかった記憶を呼び覚ましてくれるという。

・うつ病の人は特定の自伝的記憶を思い出すのが苦手
 神経科学研究者で、ピッツバーグ大学精神医学准教授のキンバリー・ヤング博士は、かねてから脳の扁桃体を活性化させることが、記憶を呼び覚ますのに効果があることに気づいていた。

 扁桃体は「闘争・逃走」反応を制御するだけでなく、重要な出来事に注意を向け集中する脳の部位だ。

 ヤング博士はまた、うつの人たちが特定の自伝的記憶を思い出すのが苦手だということもわかっていた。

 健常者の場合、匂いは鮮明でリアルに感じられる記憶を呼び覚ますが、これは嗅球からつながった神経を通して直接扁桃体に関与しているためと思われる。

 「これまで誰も匂いの合図を使ってうつ病の人の記憶想起を調べてみようと思わなかったことが、私にとって驚きでした」ヤング博士は言う。

 そこで博士は、扁桃体に働きかけることで、より効果的にうつ病患者の記憶にアクセスすることができるのかどうかを、昔ながらの方法で実験を行うことにした。
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