恒星の残骸「白色矮星」に死後もエネルギーを発する「若さの泉」がある可能性 (2/4ページ)
だが膨らんだ外層は中心から離れているため、重力によってまとまりにくく、やがては散り散りになり、燃料を使い果たした恒星のコアだけが残る。これが「白色矮星」だ。
ちなみにこれは他人事ではなく、私たちの太陽もいずれはこのプロセスを辿ると考えられている。それどころか天の川銀河の97%の星がそうだ。
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photo by iStock・なぜか冷えない「若さの泉」を持つ白色矮星を発見
これまで、こうした白色矮星は、ほとんど活動を終えた星の最終段階であると考えられてきた。
かつてその中心部では、恒星物質のプラズマが猛り狂っていたが、熱が発生しなくなれば凍って固まってしまう。
その結果、白色矮星は何十億年という長い時間をかけて、だんだんと内側から固まっていく。
だがガイア宇宙望遠鏡がとらえたように、この宇宙には数十億年もそうした冷却が進んでいない白色矮星がある。まるで内側に「若さの泉」でも隠し持っているかのようだ。
そして今回の研究チームによれば、その「若さの泉」とは、白色矮星が冷えることでできる固体の結晶だ。
この結晶は、より高密度の液体の上に浮かぶ。すると、かわりに液体は下へと移動する。こうしてより重い物質が白色矮星の中心に向かって沈んでいくことで、重力エネルギーが発生する。
このエネルギーが熱に変換されて、普通なら冷え続けるはずの白色矮星の冷却プロセスを何十億年もの間、止めると考えられるのだ。
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白色矮星内部の2つのモデルを並べたもの。(左)標準的な白色矮星の通常の結晶。