「小学6年生、初めて一人で映画館。クライマックス直前、知らない誰かが後ろから私の脇に手を入れて...」(50代男性) (1/3ページ)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Fさん(50代男性)
映画好きのFさんには、映画を好きになったきっかけがある。
それは小学6年生の時、初めて一人で行った映画館での出来事だ。
<Fさんの体験談>
小学6年生の頃だと思います。
当時映画「E.T.」が流行っていたのですが両親共に忙しく連れて行ってもらえず、どうしても見たかった私は生まれて初めて1人で映画館に行く事に決めました。
後ろから脇に手を入れられて...意気揚々と映画館に向かい、入場するとぎゅうぎゅうの満席。
当時は立ち見も出来たし、入れ替えもなかったので、出入口まで人で一杯でした。
その頃の私は、学年でも一二を争う小柄さ。このままではスクリーンが見えません。
必死に人をかき分け、何とか最後列の後ろにあった柵によじ登り、しがみつく様にして人の頭の間から見ていました。
映画はとても面白く夢中になりましたが、柵にしがみついているのは辛いと感じてはいました。
すると、クライマックスに差し掛かった頃に、誰かが後ろから私の脇に手を入れて抱き上げてくれたのです。
ちょうどあの月のシーンで急に視界が開けて、震えるほど感動して涙を流しました。
月のシーンと共に、フワリ集中していたので、振り向く事さえしないまま映画は終了。感動の余韻でスクリーンを見つめていると、いつの間にかそっと下ろされていました。
我に返り辺りを見回してもそれが誰なのか分からない状態で、男性なのか女性なのかさえ分かりません。