天皇にキレた平安貴族・藤原基経!たったひとつの言葉をめぐり天皇が謝罪「阿衡の紛議」とは? (2/3ページ)
宇多天皇は猫好きとしても知られています。ちなみに、2024年の大河ドラマ『光る君へ』で黒木華さん演じる源倫子の父・源雅信(演:益岡徹さん)は、宇多天皇の孫にあたります。
阿衡の紛議(阿衡事件)の流れ887年(仁和3年)、宇多天皇が即位した直後、当時太政大臣(朝廷の最高位の役職)であった藤原基経に、先代の光孝天皇のときと同じように、天皇の補佐をしてもらおうと考えました。ちなみに、当時の作法として、関白の位に就く際には一度断って、天皇が2度目の勅書を出してようやく正式に就くというものがありました。
宇多天皇は、当時の最高の学者とされた橘広相(たちばなのひろみ)に藤原基経を関白とする文章を書かせ、彼のもとに届けました。
しかし、ここで事件が起こります。
この勅書には、「宜しく阿衡の任を以て卿の任とせよ」と書かれていたのですが、この「阿衡(あこう)」という言葉に、基経の側近であり文章博士の藤原佐世(ふじわらのすけよ)という人物が待ったをかけます。
藤原佐世は、「阿衡」は中国の古典において名ばかりの名誉職を指すものだから、政治から手を引けと言っているとも捉えられる、と基経に告げます。
基経はこれに激怒し、出仕するのをやめてしまいます。つまり、仕事をボイコットしてしまったのです。
基経のボイコットにより、朝廷は大混乱。仕事が回らなくなってしまいます。困った宇多天皇は、仕方なく橘広相の職を解きます。「阿衡の言葉は間違いだった」という新しい勅書を出します。