親ガチャ大当たりを捨て、巻き込まれる「欲望」と「悪意」の渦【Re:リベンジ-欲望の果てに-第1話】 (2/4ページ)
しかし残念なことに佑馬はポンコツで、能力を見て公平に人選を行う会長のお眼鏡にはかなわず。息子は市子のコマとしてうまく機能しません。
市子のことですから、佑馬を医師にしようとしたはずです。しかし、佑馬は一職員っぽいので、そこも失敗しているのでしょう。
■海斗が抱いていた父の姿とは正反対の真実
そんな中、海斗は父についての真相を知ることとなります。
出版社の同僚が見せてくれた天堂記念病院の特集記事。そこには理事長である父・智信の計画や思いがつづられていました。
昔、重い心臓病を抱えた少年がいたが、心臓血管外科のない天堂記念病院ではその子を直接救ってあげることができず、他の病院にお願いする他なかったこと。また、採算が取れないことを理由に、心臓血管外科をもつ病院は少ないこと。だからこそ、心臓血管外科を設立すことが天堂記念病院がやるべき事業だと考え、子どもたちの未来やあの日の少年との約束を果たすために自らのキャリアをかけてきたのだということ。
そしてその、約束を果たしたい心臓病だった少年というのが、海斗のことなのです。
■変わったのは父ではなく自分だけだったという悲劇
そこには海斗が父に抱いていた姿とは、全く逆の思想が書かれていました。
父は、自分の名誉のために理事長のポストにすがっていたのではなく、この事業を全うさせるために理事である必要があり、全ては心臓血管外科の設立で多くの命を救うことが真の目的であったこと。患者のために生きる、尊敬する父の姿は何一つ変わっていなかったのです。
海斗は「一方的に父を勘違いして、医師の夢をあきらめてしまった」のだという、取り返しのつかない誤った選択をしてしまっていた事実を突如突きつけられます。
地位と名誉に踊らされ、父は変わってしまったと思っていたけれど、変わってしまったのは自分だけだったとは……あまりにむごすぎる真実。