人間の素材となる重元素を生み出したのは宇宙最大の爆発ではない。未知なる発生源があるはずだ (4/5ページ)
このバーストは、それまで最強だったバーストの10倍ものエネルギーを持つ、史上最強のガンマ線バーストだ。
そこから付けれた愛称が「BOAT」(”史上最も明るい”の意/Brightest Of All Time)である。おまけに太陽系に比較的近く、ここ地球の大気でも太陽嵐並みの影響が観測された。
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それなのにその余波の観測結果は意外なものだった。
たとえば、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡はその6ヶ月後の残光を眺めたが、そのデータによるなら、圧倒的な明るさにも関わらず、BOATを引き起こしたのはごく普通の超新星爆発だった。
実際、これまでに行われた長いガンマ線バーストの観測でも、バーストの明るさとそれにともなう超新星爆発の大きさには相関関係がないことが示されている。
このBOATによって作られた重元素の数も分析されたが、なんとr過程によって生成された元素は見つかっていない。
長いガンマ線バーストの明るさは、その核(おそらくはブラックホールと考えられる)の状態に関係しているとされている。
BOATのように桁外れなものならば、r過程の条件がきちんと揃っていると考えられるので、この結果は意外なものだった。