教科書からすでに「士農工商」は削除!実は身分制度・身分序列を表す言葉ではなかった【後編】 (2/3ページ)
これらは一括りにされて「町人」と呼ばれていました。
したがって明治維新の四民平等という表現も「みんな平等」という意味でしかなく、四民平等を強調しすぎたあまり、反対に「かつては農民や職人や商人の間にも序列があった」という誤解を抱かせる結果になったのでしょう。
何より「三族」、つまり明治になって導入された華族・士族・平民という新しい身分再編と適合しないので、明治時代の政策をあらわす言葉としては相応しくないと考えられるようになりました。
これもまた、「士農工商」という言葉が教科書から消えていった理由のひとつです。
身分の違いも金次第?ところで、農工商の人々と比べて士(武士)は明らかに上位でしたが、身分間の壁は低く、お金を払うと武士になることができました(十分の購入)。
ただ、この「身分が買えた」という表現も微妙なニュアンスで、お金があれば誰でも簡単に転職できたという意味ではありません。
江戸時代の身分は「個人」ではなく「家」を単位として決定されていました。長男は家を継ぐ者として身分が固定されていますが、次男以下はその家に属します。
そして、その家にいるかぎり、次男以下は妻を持つことができませんでした。 他家に養子に行くことによって、その養子先の家を継ぎ、晴れて独立生計を立てることができたのです。