教科書からすでに「士農工商」は削除!実は身分制度・身分序列を表す言葉ではなかった【後編】 (3/3ページ)

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で、養子に入るときには持参金を用意するのが当時の慣習で、これをもって「身分を買うことができた」ということです。

勝海舟の例

例えば、幕末の有名人である勝海舟曾祖父は、もともとは農民でした。江戸に出て高利貸しを営んで富を得て、三男に御家人・男谷家の身分を買い与えたのです。

このように、資金を用意して養子となる権利を得ることを「御家人株を買う」と言います。

この三男の孫・平蔵の三男である小吉が、さらに旗本である勝家の婿養子となり、勝小吉となります。勝海舟の父親です。

隅田公園の勝海舟像

農民から御家人へ、御家人から旗本へと身分間での移動を果たした典型例が勝海舟の実家だったのです。

したがって、正確には「身分」が買えたわけではありません。繰り返しますが身分は個人に属するものではなく、家に属するものだったので、養子となる権利を得ることで身分間移動が可能だったのです。

ということで、「士農工商」は身分制度や身分序列を示す言葉としてはふさわしくないものの、武士と農工商のあいだに身分制度が厳然と存在していたことも事実なのです。

参考資料:
浮世博史『古代・中世・近世・近代これまでの常識が覆る!日本史の新事実70』2022年、世界文化社

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