男性がペットを飼うと、動物に対する共感力が高まることが判明

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自分のパートナーはどうにも他人の気持ちに無神経で、そうお嘆きの女性(あるいは男性)は、ペットを飼ってみるといいかもしれない。
オーストラリアの研究者によると、ペットを飼っている男性は、動物の気持ちに共感する力が非常に高いのだそうだ。人間も動物の1種とするならば、人間への共感力も高くなっているはずだ。
『Animal Welfare』(2024年5月3日付)に掲載された研究は、動物への共感力を育むには、相手に期待することなしに、純粋に向き合い、触れ合うという生身の経験が一番であることを明らかにしている。
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オリバ博士によると、女性は動物によく共感する傾向があるという。
では男性はどうなのだろうか? 他人の気持ちに無頓着な男性は、悪気はなくても動物と人間の双方に思いやりのないことをするケースがある。
たとえば、米国で行われたとある研究によれば、家庭内暴力を行う男性の半数近くが、動物虐待をも行なっているという。
そのように大きな影響を与える男性だからこそ、彼らがどんなとき動物に共感するのかを理解することが大切なのだと、オリバ博士はプレスリリースで話す。
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photo by Pixabay・相手に何かを求めることのない生身の体験が大切
オリバ博士らの研究では、農家・ペットの飼い主・ペットを飼っていない人(非飼い主)の3つグループの男性に、動物の考えや気持ちについて質問し、彼らの動物への共感力を測定してみた。
その回答を比較すると、ペットの飼い主は、農家と非飼い主に比べて、動物に対して強く共感することがわかったという。
少々意外に思えるのは、自然の営みを生業にする農家の共感力が低かったことだ。
調査に参加した農家の大多数は、大学教育を受け、生物学・感覚・認知に関する教科書的な知識を持っていた。ところが3つのグループで共感力が最も低かったのだ。
このことは動物に対する共感を育むうえで大切なのは、個人的な経験であることを示している。
オリバ博士によれば、大人になってから実際に動物と触れ合う経験こそが、彼らが何を感じ、何を考えているのか察する力を大きく左右するのだという。
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「見返りを期待することなく献身的に行う動物の世話と無償の愛、それにともなう大人としての責任と献身が、動物に共感する力をもっとも大きく育んでくれるようです」オリバ博士は語る。
References:Animal empathy differs among men - JCU Australia / written by hiroching / edited by / parumo
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