元恋人の死と、突如現れた自分の子ども。常人の想像を超えるスタート【海のはじまり#1】 (4/4ページ)

マイナビウーマン

夏は自分の気持ちを表に出さず、相手の決断を尊重する人間です。水季が突然姿を消して、別れ話を切り出したあの時、「別れたい」をすんなり受け入れるのではなく、「夏はどうしたいのか」を考えて、夏の気持ちのままに行動に移してほしかったのかも知れません。

本当はずっと夏が迎えにきてくれるのを待っていたのだとしたら……胸がまたぎゅっと苦しくなります。

■呼応するように娘に語りかける夏の持っていた動画

「見せて」と今度は海が夏にせがんだのは以前告別式の会場で夏が見せた動画。大学生の水季が「海好きー! 海大好きー!」と海ではしゃぐ姿はまるで、水季が娘の海に愛を伝えているかのよう。偶然か、運命の悪戯か。

まるで仕組まれたかのように、水季の思いが溢れるような動画を見ながら、夏は涙が止まらなくなります。

「もう終わろう」と動画を止めようとすると、「ママ終わったの? 死んだらどうなるの?」と海がまだ母の死を理解しきれず、夏に問いかけます。「ごめん分かんない。水季がお母さんじゃなくなるわけじゃないから。終わったんじゃないよ」と難しい問いに答えたと思いきや、そこで海からのとんでもないカウンターパンチ。

「夏君は? 夏君は海のパパでしょ? 夏君のパパ、いつ始まるの?」

■心がじわっと暖かくなる瞬間が散りばめられているストーリー

このドラマの魅力の一つに、端々に散りばめられたじんわりとする優しさ、配慮、愛があるのではないでしょうか。

夏の辛い気持ちを汲み取って、「お味噌汁作る? 一人がよかったら帰るよ」と、程よい距離感と多すぎず少なすぎない声掛けで優しく寄り添う彼女、弥生。

カオナシばりに「あ…」しか言えなくなることが多々ありつつも、お葬式での他人の心無い言葉を海に聞かせたくなくて、そっと水季の動画とイヤホンを差し出す夏。

小さいけれど、相手に寄り添う心がないとできない行動の数々に、胸がじわっとする瞬間がたくさんあります。

愛と衝撃が溢れていた第一話。突然自分の子どもが大きくなって目の前に現れ、自分を父親として認知している。想像を超えすぎた出来事に常人ならパニックで、考えを簡単には整理することができないでしょうが、夏はこの後どんな選択をしていくのでしょうか。

(やまとなでし子)

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