空飛ぶ勇姿を見たかった…幻の日本海軍機・仮称H式艦上戦闘機はいかに開発されたのか【日本航空史】 (2/4ページ)
「今回は不時着水時の浮揚能力を重視したいとの意向だ」
機関部の故障などによって不時着水した際、機体が水没してしまっては、せっかく助かった生命も失われてしまいます。
限りある搭乗員が損なわれないよう、機体が浮くことを求められたのです。
「分かりました」
ハインケル社ではさっそく試作機の制作にとりかかり、翌昭和2年(1927年)に完成・2機が日本へ輸入されました。
名前は「HD-23」。日本ではハインケル社の頭文字をとってH式艦上戦闘機と仮称されます。
浮揚能力を重視しすぎた結果
「しかし、これは……」
仮称H式艦上戦闘機を見た愛知航空機の人々は、いささか面食らったようです。
なんと言うか、子持ちシシャモのようにずんぐりむっくりした機体は、確かに水に浮きそうではありました。
しかし艦上戦闘機ですから、機体重量や運動性能についても疎かにはできません。
試しに飛ばしてみると、やはりノーズヘビー、つまり前部が重すぎて取り回しが難しい状態でした。何なら全体的に重いから動きも鈍めです。
「いやいや、こんなんじゃ飛び立つなり撃ち落とされちまうよ。