父の趣味に隠されていた愛。クズ父だからこそ引き出せた夏の本音【海のはじまり#8】 (3/3ページ)
嫌いになって別れたわけじゃないのに水季の何も知らずに会えないまま亡くなってしまったこと。自分だって辛いけど、周りの人に気を遣ってわがままを言ったり、その人たちよりつらそうにしたりはできないこと。
夏が心に秘めてきた、生々しく、時に自分本位な本音が、クズ親父によって全て引き出され、夏は少し心が軽くなった様子。それに気づいている溝江も「みんな優しくて辛い悲しいってやつばっかりなのはしんどいな。その優しい皆さんに支えられてしんどくなったら連絡しろよ」と夏の性格と状況を一瞬で見抜き、自分の求められる役割を提示するなど、結局クズだけど優しい。
最初はどうなることかと思いましたが、夏が知りたかったことと、それ以上のものを得ることができた再会となりました。
◼️夏の目に海しか映らなくなってしまったさびしさ
弥生(有村架純)は夏の全ての目線が海に向いていることを日常の端々から感じとり、寂しさを募らせているよう。スーパーで「今日ご飯作るよ」という夏の言葉に喜んだのも束の間、「栄養とかちゃんとしてるものが良くて……」とその献立の先には海が浮かんでいるのです。
海が現れてから、巻き込まれるように一気に毎日が変わってしまった弥生。
一方で夏は海を実子として認知することを決意し、自分の家族にそれを伝えます。「はいりょうかーい」「おめでと」と、それをえらいこととも、褒められることでもなく、自然に受け止める姿が月岡家らしさを感じます。
そして、その決意は水季の母・朱音(大竹しのぶ)にも。すると朱音は一通の手紙を夏に渡します。それは「夏くんが親になるって決めたら渡して」と水季から託されていた手紙。
そしてその中にはもう一つ「夏くんの恋人へ」と書かれた、小さな手紙が……。
迷わず弥生に渡す夏ですが、弥生の心境は複雑なよう。そして、弥生がこの件で辛そうにしているせいで、夏が本音を言えず苦しんでいる状況も理解しており、その負のループにも悩んでいるようです。
次回は怒涛の勢いで夏の人生に巻き込まれ始めた弥生。彼女の心の内はこれからどうなっていくのでしょうか。また次回。
(やまとなでし子)