吉原で生まれ貸本屋を営み…2025年大河ドラマ『べらぼう』主人公・蔦屋重三郎はいかにしてのし上がったか? (3/4ページ)

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また、もともと江戸っ子は物品を所有するよりもレンタルして使うことが多く、ましてや高価な書籍をわざわざ購入するよりも、安価な貸本を利用する方が彼らにとっては当たり前のことだったのです。

そんなこともあって、本を売るだけでは書店経営は苦しく、レンタルも行うことで経営を成り立たせていたというのが実態に近いと思われます。

ガイドブック出版を独占

当時の貸本屋は各自の得意先を回りながら本を貸し出しましたが、重三郎の場合は吉原が商圏でした。彼が遊郭や茶屋などに足繁く出入りすることで、各店の事情に自然と詳しくなったのは想像に難くありません。

彼は貸本業を展開することで吉原の事情通となるとともに、吉原にコネクションを張り巡らせていき、おそらく販路の確保にも繋げたのでしょう。

重三郎が貸本業を通じて得た情報やコネクションは、出版業拡大の大きな追い風になりました。その中でも最たるものが、先に述べた通り『吉原細見』の出版を独占したことでしょう。

元文5年『吉原細見』(Wikipediaより)

吉原細見は吉原で遊ぶ際には欠かせないガイドブックのことです。その出版は貞享年代(1684~88)まで遡ることができ、これには遊女屋、遊女の名前や位付け、芸者や茶屋の名前、遊女の揚代、綾日(吉原オリジナルのイベント日)、名物などが詳細に紹介されており、毎年春と秋の年2回刊行されました。

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