自らATMに立候補!? 父として最低の言葉が最高の提案となる奇跡【わたしの宝物#第2話】 (2/3ページ)
■シングルマザーのリアルを知り、心折れる美羽
冬月(深澤辰哉)との子どもを、宏樹の元でこっそり托卵しようと計画していた美羽は、改めて1人で育てることを考え始めます。それもあって、母子手帳の父親欄には宏樹の名前を書くことができずにおり、離婚届には自分の名前をひっそりと書き込みます。
自分自身もシングルマザーの母の元で育った美羽。実際に自分を1人で育て上げた母に尊敬の意味も込めて感謝を伝えると、そこから漏れ出るリアルな本音に美羽は一気にやられてしまいます。
「(母である)自分が死んで美羽が1人になることが怖かった。貧乏で苦労かけて、ひとりぼっちにさせて、美羽には寂しい思いばかり……」と、1人で子どもを育てることの苦しい現実を受け、美羽は「自分には無理だ」と、一気に心に不安に襲われます。
■最低の言葉が美羽にとっての最高の提案となる奇跡
そんな中、宏樹と美羽は話し合いの場を持ちます。本当は離婚を切り出そうと考えていた美羽ですが、宏樹から先に思わぬ言葉の数々を投げられ、風向きが変わることとなるのです。
宏樹は「本当に子ども欲しい?」と問うなど、ほぼレイプ同然で妊娠したことや母子手帳に宏樹の名前がなかったことで、美羽が「望まない妊娠に戸惑っている」ように感じていたのでしょう。全ての理由が「本当は父親が別の人だから」などとはもちろん知る由もありません。
そして続くのは父親として最低な言葉の数々。
「新しいプロジェクトが始まるから今より忙しくなる。家庭のことは何もできないし、するつもりもない。何も求めないでほしい。金で苦労はかけない。ただ父親の役目はできない」
病む間際とはいえ、ここまで全て放棄するとは「どんだけキャパ狭いんだよ!」と吐き捨てたくなるほどの言葉の数々ですが、これが逆に美羽にとって渡りに船になるのです。