蜘蛛と髑髏の着物に身を包み…明治時代に実在した異様すぎる遊女“幻太夫”の生涯【後編】 (2/4ページ)
全盛四季冬 根津庄やしき大松楼 画:月岡芳年 国立国会図書館デジタルコレクションより
上掲の浮世絵では雪景色を背景に三人の遊女が描かれています。中央に描かれているのが幻太夫です。
幻太夫の打掛には蜘蛛の巣にからめとられた桜花と蜘蛛の姿が。そして髑髏の柄が描かれています。筆者は蜘蛛が大嫌いなので、蜘蛛の姿が描かれた着物を着るなんてゾッとします。現代のドクロ柄はファッションとして受け入れられていますが、この時代に女性が髑髏柄の着物を着るのはかなり異様なことだったのではないでしょうか。
全盛四季冬 根津庄やしき大松楼 画:月岡芳年 国立国会図書館デジタルコレクションより
しかし幻太夫が手にしているのは“雪うさぎ”。目に南天の実を入れるので、難が転じる縁起物とも言われます。月岡芳年の優しい気持ちの現れでしょうか。
ただそのような蜜月もやがては終わりを迎えます。月岡芳年と幻太夫の間に何らかのトラブルがあり、月岡芳年は突然松葉楼へは通わなくなります。
また『東京名所図』シリーズにより人気浮世絵師となった“小林清親”も幻太夫のもとを訪れています。