大河「べらぼう」に登場!遊女を”花”に見立てた蔦屋重三郎 初の出版本『一目千本』を解説【後編】 (5/5ページ)
「◯◯屋には◯◯という遊女がいる」という文章だけではそのまま読み流されてしまうところを、あえてひとりひとり「花」にたとえることで好奇心を刺激するようにしました。
さらに『一目千本』は、本屋で一般的に売らず、一流の妓楼や引手茶屋のみでしか入手できないようにしました。(ドラマでは「床屋」など店舗にサンプル本を置き、興味を持った客が気軽に読めるようにしていました)
この本を持っていることが吉原の常連の証となることも、客の所有欲をそそったそうです。
『一目千本』は、上下2巻で70ページほどの手軽に持ち運びできるサイズで、気軽に手に取ったり持ち運びがしやすいサイズだったそうです。
実際の彫師・摺師さんが登場した製本の場面
ちなみに、ドラマの中で北尾重政の絵を、彫師が板木を裏返しに貼った下絵ごと彫り、摺師が板木の上に墨を塗り、紙を置き摺るというシーンがありました。
精密で精巧な仕事ぶりがうかがえましたが、実際に本物の彫師さんや摺師さんが演じたそうです。
細かく絵柄を彫って紙に刷り、その紙を綴じて一冊の本に仕上げていく(ドラマの中では河岸見世の遊女たちが、蔦重が差し入れたお金でおにぎりを食べられるようになったお礼にと本を綴じる作業を手伝うというストーリーになっています)。
江戸時代の一から十まで全て「人の手による」元祖アナログな製本方法と、現代のクラウドファンディング的な出版方法・フリーパーパー的な広報の方法の蔦重の発想との対比が、興味深い回でした。
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