大河「べらぼう」に登場!遊女を”花”に見立てた蔦屋重三郎 初の出版本『一目千本』を解説【後編】 (4/5ページ)
そこで、蔦重が「吉原遊郭の宣伝になるような本を」と思いついたのが、『一目千本』だったのです。
精密な花の画だけで姿をイメージさせる
そもそも『一目千本』という言葉は、「一目で千本の桜が見渡せる」という意味。
特に、桜の名所である奈良県吉野山で、「一望のもとに千本の桜が見渡せる絶景の場所」のことを指します。
蔦重は、この本一冊を見れば吉原の遊女たちが分かるというような意味を込めたのでしょうか。
いつもツ〜ンとしている遊女は「わさびの花」、手紙の文章ばかり書いている遊女は「カキツバタ」……と花に見立て、繊細なタッチで画を描き、そこに遊女の源氏名と妓楼の名前を書き添えた『一目千本』。
見ているだけでも「いったいどんな遊女なのだろう」と頭の中でイメージが膨らむような本だったそうです。