鼻毛を出し生活、ヘビを使った処刑…加賀藩主・前田利常の奇想天外すぎるエピソード4選
前田利常と言えば、前田利家の子で加賀藩2代目藩主を務めた人物というのはご存じの方もいるかもしれません。
また、父の利家顔負けの体格を持っていたことが、後継者に選ばれる決め手になったと言われています。
その反面、鼻毛を出しながら生活していたり、ヘビを使った処刑を実行したりと様々なエピソードもあることで知られています。
そんな今回は利常の奇想天外なエピソードを紹介。利常の人物像を別角度から探っていきます。
鼻毛を伸ばしていたのには理由があった!?利常は、死の床にいた徳川家康から何回も秀忠に殺すよう命じたことを伝えられたエピソードがあることから、底が知れない人物として家康を含めた江戸幕府に警戒されていました。
そのため、幕府からの警戒をかわすためにわざと鼻毛を伸ばしっぱなしにしていました。
しかし、事情を知らない家臣たちは利常の容姿を見かねて手鏡や鼻毛抜きを差し出したり、目の前で鼻毛を抜いてみたりして気づかせようとします。
これを見た利常は「自分の鼻毛が伸びていることをおかしいと思い、世間からうつけ者と呼ばれていることはもちろん耳に入っている。そこで私は、その評価を利用して周りから目をつかれずに加賀藩を守っている。つまり、この鼻毛は家臣や領民たちが安泰に暮らせるために役立っているのだ。」と家臣たちに言い放ちました。
数々の禁止行為を無視する豪快っぷり他にも利常は江戸城内に立てられた「小便禁止。違反者には罰金とする」との札に向かって小便をし、罰金怖さに小便なんて我慢できるかと言い放った豪快さを表すエピソードも残っています。
また、江戸城内にあった下馬禁止の札を無視して馬に乗ったまま通るという傍若無人ぶりを発揮しました。
しばらくして若年の徳川家綱が将軍に就任し、政情が不安定になると利常は馬に乗ったままで良いと言われてしまいます。
しかし、孫に近い年齢の将軍に気を遣わせてしまったことから、以後札のある所では下馬するようになりました。
このことから幕府から警戒されないように暗愚を演じつつも、周りの状況をきちんと把握し、しかるべき対応をとれる非凡さがうかがえます。
愛した人のためにヘビを使った処刑を実行また、利常は正室の珠姫(たまひめ)を死に追い込んだ乳母を蛇責めという方法で処刑した過激なエピソードも残っています。
珠姫は徳川秀忠の娘で政略結婚によって利常に嫁ぎましたが、2人の夫婦仲は非常に良好でした。
そのため、幕府の内情を包み隠さず話してしまうことを懸念した乳母は、珠姫の体調不良を理由に利常との接触をさせないようにします。
利常に会えなくなったことで珠姫は衰弱していき、疑問に思った利常が無理やり会いに行くと、すでに手遅れでした。
そして、乳母がこの事態を引き起こしたことを告げ、息を引き取りました。
珠姫の死に激怒した利常は、万病に効く薬の調合という名目で蛇を収集。桶に閉じ込めた裸の乳母の上から何千もの蛇と動きを活発にさせるための酒を投入し、生きたまま土に埋めました。
このような惨い方法で乳母を処刑しましたが、蛇責めを実行する前に乳母が自害しており、実行していなかった説も残っています。
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