伊藤若冲の名作「樹花鳥獣図屏風」に登場するあのゾウさんが、キュートなぬいぐるみになったよ!
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静岡県立美術館が所蔵する、江戸時代の日本画家・伊藤若冲による名作「樹花鳥獣図屏風」のあのゾウさんが、ぬいぐるみになりました!
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静岡県立美術館では現在、特別展「生誕140年記念 石崎光瑤」を開催中で、この関連作品として、伊藤若冲「樹花鳥獣図屏風(じゅかちょうじゅうずびょうぶ)」が3年ぶりに特別展示されています。
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「樹花鳥獣図屏風」は、若冲ならではの独創性が如何なく発揮された作品です。「枡目描き(ますめがき)」と呼ばれる奇想天外な描法で描かれる動物と鳥の楽園は、江戸時代の絵画のイメージを覆す、新鮮な驚きに満ちています。間近に鑑賞すると、1cm四方の細かな方眼の集合で絵が成り立っていることがわかります。
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右隻は白象を中心にした「獣尽くし」、左隻は鳳凰を中心にした「鳥尽くし」で、身近な生き物から外国の見たこともない生物、さらに想像上の生き物まで、吉祥性の強い鳥獣が水辺に群れ集う様子が描かれています。
そして、今回の特別展示に際して登場したのが、《樹花鳥獣図屏風》をモチーフにしたぬいぐるみです。ほかにも、クリアファイル、手ぬぐい、マグカップ、ウッドポストカード、アートマグネットの全6種がラインナップ。
伊藤若冲の象さん「じゅかぞうーJUKAZOOー」ボールチェーンマスコット
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《樹花鳥獣図屏風》右隻の白象をぬいぐるみにして、ボールチェーンを付けたマスコットに。平面に描かれたモチーフを立体にするのは難しいことなのですが、コロンとした絶妙な丸さがかわいい、唯一無二の象さんぬいぐるみに。足元にはビーズを入れて重心を四肢に置き、前のめりに倒れないよう調整しています。
クリアファイル
《樹花鳥獣図屏風》の右隻、左隻の特徴的な部分を拡大して、A4クリアファイルの両面に配しています。ミュージアムグッズの定番とも言えるクリアファイルですが、若冲の「枡目描き」を際立たせるために背景にメタリック仕様を採用。表側に細かなヌキの部分を作ることで、枡目の模様や水面の輝きが表現できるよう処理しています。
マグカップ
《樹花鳥獣図屏風》の右隻の一部を側面にぐるりとデザインしたマグカップです。実際の作品よりやや明るい仕上がりですが、朝の食卓で使うことを想定して、暗さや黄味の出ないよう色味を配慮しています。
浜松注染の手ぬぐい
大正初期に「浴衣染め」から始まった浜松注染。肌に優しいやわらかさで、水ぼかしによる揺らぎのある表現が特徴です。はっきりとした精細な印象の《樹花鳥獣図屏風》の右隻のモチーフを、淡い花の赤色から木々の緑色へと移ろうグラデーションに染め上げています。
ウッドポストカード&アートマグネット
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独自開発したプリント技術を用いて、原画に近いリアルな凹凸をつけた立体感のあるウッドポストカードとアートマグネットです。《樹花鳥獣図屏風》右隻・左隻の「枡目描き」を忠実に再現するため、高精細なデータから読み取った小さなドットのように見える枡目の一つ一つに高さを出し、手作業で凹凸アレンジを加えて立体的に仕上げています。
《樹花鳥獣図屏風》をモチーフにしたグッズは、静岡県立美術館ミュージアムショップにて発売中です。
企画展「生誕140年記念 石崎光瑤」展と収蔵品展について■企画展「生誕140年記念 石崎光瑤」 会期:2025年1月25日(土)~3月23日(日)
石崎光瑤(1884~1947)は、鮮やかな色彩で華麗な花鳥画を数多く残した近代京都の日本画家です。「生誕140年記念 石崎光瑤」展では、光瑤の故郷にある南砺市立福光美術館(富山県)のコレクションを中心に、初期から晩年までの代表作を一挙公開し、光瑤の画業の全貌を紹介します。
■収蔵品展/石崎光瑤展関連展示
石崎光瑤に多大な刺激を与えた伊藤若冲。その作品を陳列する展示を二部構成で行います。第1部では、光瑤がインドを訪れた経験を自作へ昇華させたことを踏まえ、海外からの影響が反映された日本の絵画に注目します。第2部では光瑤が得意とした花鳥画をテーマとし、江戸時代の作品を中心にご覧いただきます。
「第1部 異国への眼差し」 会期:2025年1月4日(土)~2月16日(日)
主な展示物:狩野永納《蘭亭曲水図屏風》、司馬江漢《駿州薩陀山富士遠望図》
「第2部 絢爛たる花鳥画」 会期:2025年2月18(火)〜4月6日(日)
主な展示物:狩野探幽《白鷴図》、長沢蘆雪《牡丹孔雀図》
※伊藤若冲《樹花鳥獣図屏風》の特別展示は、2025年1月24日(金)〜3月23日(日)です。ご注意ください。
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