高名な遊女・お千代の末路…江戸時代、海辺で営業していた「船饅頭」の遊女たち (3/4ページ)
「古ぼちゃぼちゃ」が何を意味するのかはハッキリしませんが、何となく花の盛りを過ぎてしまった中年太りの女性が思い浮かびます。
それからと言うもの、船饅頭は深川のお千代だけでなく、あちこちに現れて商売するようになりました。
馴染みの客を船頭に?
曲亭馬琴『世諺口紺屋雛形』より、船饅頭の船頭を務める馴染み客。
……ここに船饅頭といふ浮草あり、少しの古木場の上に横根さし……(中略)……花の数は三十二に極まる、入相の頃より中洲箱崎の辺に多く漂ふ、また所々泊り船のほとりをちらちら流れありく……
※『色里名所鑑』
花の数とは営業していた船饅頭の数でしょう。最盛期には32名の船饅頭が波に揺られながら客を待ち、客が入ると沖へ漕ぎ出し、辺りを一周するまでの時間で逢瀬を楽しんだようです。
船饅頭が乗る船はお千代船などと呼ばれ、時にはこんな川柳が詠まれました。
お千代舟 沖までこぐは 馴染なり
江戸の海へ漕ぎ出すスタッフは船饅頭の馴染み客。恐らくは営業終了後の花代が報酬だったものと思われます。