現実を生きる編集者の葛藤。「叶えられなかった夢」との向き合い方って?【未恋~かくれぼっちたち~#9】 (2/3ページ)

マイナビウーマン

そして、みなみ(愛希れいか)も、今はくすぶっているかもしれないけれど、過去に小説の新人賞を受賞した経験があります。だから、健斗に対して「小説書けばいいじゃん」「なんで夢を諦めるの?」って言えるんだと思う。

だけど、それが現実を生きようとしている健斗を苦しめているんじゃないかな? と思います。「好きな気持ちがあれば、なんでも叶えられます」と言えるのは、成功者だけ。その裏には、好きな気持ちがあっても夢を叶えられなかった人がたくさんいることを忘れてはいけないんです。

例えば、学生時代から漫画家を目指していたゆずは、「漫画家になるんです。それしかないから」と言い、「ずっと漫画が好きでいられますように」と神社でお願いをしていました。健斗は、ゆずと一緒にいるとわずかに劣等感を感じていた理由を、「彼女は好きの力だけで前に進む方法を知っていた」と分析していたけれど、もしもゆずが漫画家になる夢を叶えられていなかったらどうだろう。“好きの力だけで前に進んで夢を叶えた”ゆずだからこそ、劣等感を感じさせてくるんだと思います。

『未恋〜かくれぼっちたち〜』第9話のサブタイトルは、「夢…諦めてもいいですか?」。ここ最近の健斗を見ていて、わたしは「夢、諦めてもいいよ」と言ってあげたいなと思っちゃいました。

夢を叶えている人たちに囲まれているから、夢を諦めるなんて……と思ってしまうのかもしれないけれど、健斗と同じような生き方をしている人はたくさんいる。というか、思い通りの人生を歩んでいる人の方が、少ないくらいだと思うから。

■「ありがとう」が「さようなら」に聞こえるのはなんか分かる

6年前、缶詰合宿が終わった時、みなみに「ありがとう。健斗がいてくれて本当に良かった」と言われた健斗は、「ありがとうって言われて嬉しい?」と返していました。この時、「んん? なんかめちゃくちゃ面倒くさいやん!」と思ったけれど、「ありがとう」という感謝の言葉が、健斗には「『ありがとう。健斗にもう用はないよ』」と聞こえたようです。

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