信仰より生存を選ぶも妻子は処刑…「島原の乱」唯一の生存者・山田右衛門作の壮絶な裏切りの記録【前編】 (4/4ページ)

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 「天草四郎陣中旗」 (伝山田右衛門作・天草切支丹記念館所蔵)

しかし、彼の心は一揆に染まっていたわけではなく、家族を守るために幕府軍と密かに交渉を始めていました。城内の情報を伝え、幕府軍が総攻撃を仕掛ける際には、内部から混乱を引き起こすことを申し出たのです。

右衛門作は、幕府軍に向けて密かに「矢文」を送っていました。矢文とは、矢に結びつけた文書のことで、敵陣へ素早く情報を伝えるために使われていました。

彼はこの矢文で、城内の状況を伝え、幕府が総攻撃を仕掛ける日時を事前に知らせてくれれば、一揆勢を混乱させる手助けをすると約束していました。

しかし、この矢文が思わぬ形で一揆勢の手に渡ってしまいます。ある夜、城内の見張り役の兵が、たまたま幕府軍が放った矢文を拾い上げました。そこには、右衛門作の筆跡で、幕府軍とのやりとりが詳細に記されていました。

次回の【後編】に続きます。

参考文献

北野典夫『天草キリシタン史-幻のパライゾへ』(1987 葦書房) 神田千里『島原の乱』(2005 中央公論新社) 鶴田倉造著 『Q&A 天草四郎と島原の乱』 (2008 熊本出版文化会館) 歴史の謎研究会編『誰も知らなかった顛末 その後の日本史』(2017 青春出版社)

※トップ画像はイメージ(メトロポリタン美術館蔵 Public Domain)

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