パワハラ上司に涙の訴え。「許す/許さない」じゃない選択も、許されていい【人事の人見#7】 (2/3ページ)
なんで、傷つけられた側が、こんなにもいろいろなことを乗り越えなければならないんだろう。
そういえば、現在放送中のドラマ『しあわせは食べて寝て待て』(NHK総合)でも、同じような事例が登場していました。同作の主人公・さとこ(桜井ユキ)が、会社で嫌がらせを受けたせいで、退社に追い込まれてしまったんですね。
でも、ちょっと経ってから、その加害者が「謝りたい」と言い出したんです。そこで、さとこは「謝ってほしくない」と返したのが、すごく印象的で。「だって、そんなことしたら、笑って許すしかないでしょ? 許したことで、わたしはもっとモヤモヤして、向こうだけがスッキリするんだよ」という台詞に、「たしかに〜!」と大共感しました。
ただ、真野のように、同じ会社で働いていかなければならない場合は、もっと悩まされることになります。黒澤が昔の考えのままだったら、まだ良かったものの、彼は真野を傷つけてしまったことを深く反省して、生まれ変わっていた。だからこそ、苦しいんです。
「こっちはずっと残ってるんだから! 5年経っても6年経っても7年経っても! ずっと痛いし、ずっと恨んじゃうし、ずっと許せないままなんですよ!」
真野が、そう泣きながら訴えた時、黒澤は「許されなくていいと思ってるよ。どれだけ恨まれても」と返していました。そこで、「許したいんですよ! 恨みたくて恨んでないんですよ!」と言った真野に、涙が止まらなかった。許してもしんどい、許さなくてもしんどい。もう、自分がどうしたいのか、どうするべきなのか分かんない! と頭がパンクしそうになった時、「じゃあ、何がしたくないんですか?」と冷静に思考の整理をさせてくれる人見くん、できる男すぎました。
その言葉があったからこそ、真野は「ずっと許されないで、ずっとみんなに後ろ指をさされて、ずっとそれに足を引っ張られて過ごすんですか? ダメでしょ。そんな会社は。そんな社会はダメなんですよ。だから、わたしは許せないけど、許します」と言うことができたんだと思う。