徳島の地名に残る「蜂須賀」とは誰? 刀より知恵で国を治めた戦国武将・蜂須賀家政の生涯【後編】 (3/3ページ)
その目で、徳川の世が始まり、蜂須賀家の礎が固まるのをしっかりと見届けたうえで、静かにこの世を去ります。
伊達政宗は、彼のことを「阿波の古狸」と呼びました。裏をかき、人を出し抜くという意味ではありません。見通しの深さ、先を読む力に敬意を込めたあだ名だったのだと思います。
蜂須賀家政の名前は、学校の教科書で大きく扱われることはあまりありません。けれど、確かに彼は時代の一隅を担い、静かに、深く、土地を支え続けました。
戦に勝つより、民を守る。名を上げるより、地を整える。そんな価値観を生き抜いた人が、たしかにいたということを、私たちは忘れべきではありません。華やかさよりも、確かさを。威光よりも、暮らしを。歴史とは、そうした静かな営みの積み重ねでもあるのです。
参考文献
白石一郎「阿波の狸」『弓は袋へ』新潮社 1991 石躍胤央・他『徳島県の歴史』山川出版社 2007
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