あの漫画と「ノルマントン号事件」は無関係!実は日本とイギリスの間で翻弄されていた悲劇の船長【前編】 (2/3ページ)
日本人の死者が出た理由
そもそもノルマントン号は貨物船だったのですが、なぜ日本人が乗っていたのでしょうか。
答えは、この日本人たちは横浜港で働いていた「船荷人夫」たちでした。そして次の仕事が大阪で荷物を降ろすことだったので、ドレーク船長にノルマントン号に乗せてもらうことになったのです。
ですから、彼らは乗客ではなく、「乗組員」と同じ扱いでした。
高知県須崎市南古市町にある「ノルマントン号事件の碑」(Wikipediaより)
また事故時の状況ですが、実際にはドレーク船長は日本人たちに救命ボートに乗るように促しましたが、船員たちの証言によると英語がなかなか通じず、そして彼らは下船することを拒否した、とされています。
実際、船が座礁した場合、状況によっては船に残ったほうがよい場合もあるのです。
船荷人夫、すなわち船乗りだった日本人たちがそう判断したのも間違いとはいえません。状況によってはボートで逃げたほうが死んでいた可能性もありますし、現にボートで脱出した乗組員にも死者が出ています。