鋭すぎる縄文人の美意識──遮光器土偶のルーツを探ると見えてくる縄文の祈りの形 (2/3ページ)
この頃になると縄文人たちは小さな集落を作り生活するようになり、彼らの中に新たな精神文化が生まれました。
それまでは土器や石器などの実用品だけを作っていましたが、新たに祈りのための道具が必要となったのです。その一つが土偶であったと考えられています。
最古の土偶の1体は、トルソーのような高さ3.1㎝の頭部のない上半身の土偶です。
滋賀県東近江市の「相谷熊原遺跡(あいだにくまはらいせき)」の竪穴住居跡から見つかりました。
「相谷熊原遺跡出土 土偶 」 出典:Wikimedia Commons
表面は滑らかで、粒子の細かい土を用いて丁寧に作られています。もう1体は三重県で出土した、目鼻口のない小さな頭部と上半身だけの土偶です。
求めたのは女性のシルエットと神秘性最古の土偶たちの特徴は、何といっても女性らしい美しいシルエットです。女性の身体に命が宿ることを、神秘的なイメージと重ね合わせているようです。
上半身だけにした理由は、祈りのための人形に相応しいように、敢えて“人間とは違う”ことを表わしていると言われています。
“頭部がない”ことや、あったとしても“目鼻口は表現しない”、また“手足がない”という傾向はその後も受け継がれていきます。