家臣と愛妾の密通を目撃!浮気現場を押さえた戦国大名・真田信之の智将ぶり冴え渡る冷徹な一手 (2/3ページ)
夜闇の中でも、信之は自分の家臣と判りました。すると信之は近習を制止し、男に去るよう促します。
「よい。ゆけ」
男は一礼したかしないか、一目散に逃げ出していきました。近習はこれを訝しみますが、信之は気にもとめません。
そして何食わぬ顔で長局へ入り、愛妾と楽しく過ごしたということです。この態度は、信之が家臣と事を荒立てたくない事なかれ主義だったからでしょうか。
納得できなかった近習は、後日信之に対して「なぜ愛妾と密通した家臣を追わせなかったのか」と尋ねました。
浮気するようなクソ女より……すると信之は「無用に候。大切の侍を屁ひり女に替可申(かえもうすべき)や」と答えたそうです。
いざ有事には生死を共にする大切な家臣を、屁ひり女(屁をひるクソ女。ここでは愛妾のこと)なんかのために斬る訳にはいかない……そう言い切りました。
もちろん長局に通うくらいだから、一定以上の愛情はあったのでしょう。しかし家臣と密通するようなクソ女だったと判れば、もはや惜しくはない。そんな意思も感じられます。
このやりとりは真田家中に広まり、家臣たちは浮気した者も含め「そこまで家臣を大切に思ってくれている殿のために、命を惜しまず奉公に励もう」と思ったはずです。
かくして真田信之はクソ女と引き換えに、ますますその名を高めたのでした。
ちなみにクソ女呼ばわりした愛妾を、信之がどのように扱ったのか、詳しいことはわかっていません。表面上は良好な関係を続けたのか、それともあっさり離縁したのか……。
真田信之とは何者?永禄9年(1566年)生~万治元年(1658年)10月17日没(享年93歳)
武田家臣・武藤喜兵衛(のち真田昌幸)の長男として誕生。
