2024年紅麹事案 研究解説記事⑥ 小林製薬の動物実験写真が行政発表資料にそのまま使用されていた (4/5ページ)
「根拠を一段ずつ積み上げ、各ステップを独立して確認する」という分析化学の作法を行政文書の読解と証拠の突き合わせに適用することで、Animal No.5102の一致という客観的事実を発見するに至った。
本稿で使用した比較図は、情報公開法に基づき取得した行政文書から著者が作成したものであり、第三者による独立した検証が可能な資料に基づいている。
著者がこの問題の解明にこだわる背景には、紅麹が豆腐よう・泡盛・紹興酒など東アジアの発酵食品文化において1000年以上にわたって使われてきた伝統的食材であるという認識がある。機能性表示食品という現代的な規制枠組みをめぐる問題は、紅麹という食材そのものの価値とは切り離して論じられるべきである。科学的根拠が十分に確認されないまま行われた行政発表によって伝統食材の評判が損なわれ、関連事業者が甚大な被害を受けたという事実は、看過できない。