2024年紅麹事案 研究解説「プベルル酸と誘導された経緯有識者会議が見逃した理由——開示行政文書が示す専門性の欠如と唯一の警告——」 (3/5ページ)

バリュープレス


●     有機化合物の構造決定・化合物同定の分析化学(NMR・LC/MS・異性体排除)
●     食品科学・醸造学・麹菌学・発酵微生物学
●     機能性表示食品制度の法規制・食薬区分・薬機法

なお、伊藤美千穂参考人(生薬部長)は出席者の中で分析化学に最も近い立場にあったが、その発言内容については次節で述べる。

3 唯一の専門的警告——伊藤美千穂参考人の発言(議事録記録)
開示された議事録には、伊藤美千穂参考人による以下の発言が記録されている。

「今、衛研のほうにはまだサンプルが何も届いておりませんので、衛研のほうで分析はスタートできておりません」
「成分Xだけではなくて…網羅的に広く見える方法を使いまして分析を行う予定にいたしております」
「アオカビがPuberulic acidを作る能力は相対的に低いです。そんなにたくさん作れるものではないという文献の情報がございます」
「このXという成分だけに注力するというのはちょっと危ないのではないかという感触を持っております」

伊藤参考人は次の二点を明確に指摘した。
●     NIHSに検体が届いておらず、NIHSによる独立した分析は3月28日時点で開始されていない
●     プベルル酸のみへの注力は「危ない」——網羅的分析が必要

この発言は議事録に記録されているが、会議の結論には反映されなかった。

4 事務局(非技官)による方針主導
議事録において、原因究明の方針に関する発言を繰り返したのは技術系職員ではなく行政職である近藤食品基準審査課長(事務局)であった。
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