一生の点眼じゃなくていい?緑内障の新たな選択肢「レーザー治療(SLT)」 (1/3ページ)
日本人の失明原因第1位である「緑内障」。一度失われた視野は元に戻らないため、早期発見と「今ある視野を守ること」が治療の至上命題です。
これまで緑内障治療といえば「一生、毎日欠かさず点眼薬を差すこと」が常識とされてきました。しかし近年、その常識が大きく変わりつつあります。点眼薬に潜む副作用のリスクと、新たなスタンダードとして注目される「SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)」について、最新のエビデンスを交えて解説します。
本記事は、いわみ眼科 理事長・岩見久司医師への取材に基づき構成しています。
緑内障治療の基本は、目の中を循環する「房水(ぼうすい)」の量を調節して眼圧を下げることです。点眼薬は非常に有効ですが、長期間の使用には注意も必要です。
意外な副作用のリスク点眼薬は局所的な薬ですが、成分が鼻の粘膜などを通じて全身に回ったり、まぶたの組織に影響を与えたりすることがあります。
全身への影響: ぜんそくの悪化、脈拍の低下、血圧低下、ふらつきなど。 見た目の変化: まぶたのくぼみ(SU-PAP)、まつ毛の異常な伸長、目の充血。 アレルギー: かゆみ、腫れ、まぶたの皮膚の荒れ。特に「まぶたのくぼみ」は、将来的に手術が必要になった際の成功率に影響を与える可能性も指摘されています。
副作用を防ぐ「正しい差し方」いわみ眼科(兵庫県芦屋市)の岩見久司理事長は、副作用を最小限に抑えるために以下の2点を推奨しています。
涙点(るいてん)圧迫: 点眼後、目頭を軽く押さえて薬液が全身へ流れるのを防ぐ。 点眼後の洗顔: 点眼の約5分後、皮膚に付いた薬液を洗い流す(入浴前の点眼も有効)。