『豊臣兄弟!』なぜ足利義昭(尾上右近)は信長を見殺しにしたのか?姉川で動けなかった“将軍”の限界[前編] (3/5ページ)
足利義昭と幕府奉行衆。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
このわずか40秒足らずのやり取りに、室町幕府における将軍の立場が、実に巧みに表現されているのです。
では、まずは室町時代と足利将軍の歩みを振り返ってみましょう。
戦国期の足利将軍はなぜ弱かったのか室町時代は1338年(建武3年)から1573年(元亀4年)まで、実に235年間続きました。幕府政権には、源氏・北条氏による鎌倉幕府、足利氏の室町幕府、そして徳川氏の江戸幕府があります。
鎌倉幕府は約150年、江戸幕府は約260年。年数だけを見ると、日本史上における長期安定政権といわれる江戸幕府と比べても決して短命ではありません。ところが「軍事力」という観点に立つと、その実態は大きく異なっていました。
武家政権において、配下の大名・武士たちを統制する決め手は、言うまでもなく武力、すなわち軍事力です。