2027年大河で注目、小栗忠順は“隠れた英雄”か、混乱の元凶か?幕末の貨幣改鋳が招いた光と影 (3/5ページ)
まず小栗は、万延元年に万延二分金という新しい金貨を鋳造します。この金貨は従来の金貨より金の含有量が大幅に少なく、なんと六〇%しかありませんでした。
減らした分がそのまま幕府の収入になる仕組みです。
さらに驚くべきはその発行量で、万延二分金は五千万両分も鋳造されました。それまでの金貨鋳造量が数百万両規模だったことを考えると、まさに桁違いです。
小栗はこの差益を使い、横須賀製鉄所の建設を計画したとされます。これは日本の近代化に向けた重要な投資で、幕府の将来を見据えた政策でした。
とはいえ、もちろん金の含有量が少ない貨幣が大量に出回れば市場は混乱します。小栗もその危険性を理解していたと考えられますが、財政再建のためにはこの手しか残されていなかったのでしょう。
混乱の代償万延二分金の大量発行は、幕府財政を一時的に救った一方で、社会に深刻な影響を与えました。