赤ちゃんを守る「母子免疫ワクチン」無償化が4月に始まった——知らないと損する、RSウイルスの本当のリスク (2/3ページ)
7歳時点では対照群3%に対して30%、13歳時点では対照群5.4%に対して37%と、入院経験や喘息の発症率が高い傾向が報告されているのだ。
山王ウィメンズ&キッズクリニック大森の院長で産婦人科専門医の髙橋怜奈先生は、こう語る。「乳幼児期のRSウイルス感染と気管支喘息発症リスクの上昇には関連があることがわかっています。お子さんが入院することで親が仕事を休む必要が生じ、労働力の低下や経済的なダメージも大きい」
「母子免疫ワクチン」とはどんな仕組みか今回定期接種となったのは、妊婦が打つことで生まれた赤ちゃんに効果が及ぶ「母子免疫ワクチン(アブリスボ)」だ。妊娠28〜36週の妊婦が1回接種すると、母体内で作られた抗体が胎盤を通じて胎児に移行し、出生時から乳児がウイルスへの予防効果を持った状態で生まれてくる。
有効性のデータは印象的だ。重症の下気道感染症に対して、生後90日以内で約8割、生後180日以内でも約7割の予防効果が認められている。このワクチンはすでに世界65カ国以上で承認されており、実績のある選択肢である。
髙橋先生はこう評価する。「重症例の抑制や喘息リスクの低下、入院などによる家族への負担軽減を考えると、定期接種化は非常に意義深いと思います。入院の重症化予防、将来の喘息リスク低下、そして経済的な負担軽減——こうした多面的なメリットを考えると、一律に接種できるようになる定期接種化は素晴らしいと思います」
「早産リスクが上がる」という噂の真偽SNS上では「ワクチンで早産リスクが上がるのでは」という声も見受けられる。これについて髙橋先生は明確に否定する。
「早産リスクに関する懸念は、日本で接種できるアブリスボ®筋注用とは別のワクチンの話です。アブリスボ®筋注用では早産リスクの上昇は見られていません。