国立劇場の不在は喪失か、それとも好機か?閉場で見えた“古典芸能”の新たな可能性と未来 (2/4ページ)
世界中を巻き込む物価高による建設資材の高騰などにより、二度も事業者選定ができない事態が生じました
参考:日本芸術文化振興会
当初の再建案では、ホテル・レストランなどの民間収益施設の併設を前提としていましたが、度重なる事業者選定不可の現状に、さすがに計画を変えざるを得ませんでした。
結果、2025年6月に当初建設予定だったホテルを必須条件から外し(自由提案としては残る)、新たに費用を算定しました(参考)。
当初は令和11(2029)年に私たちが新しい国立劇場を見れる予定でしたが、結果完成予定は令和15(2033)年度に変更され、さらに4年も待たなければならなくなってしまいました。
ある種、不可抗力も含めた要因とはいえ、「国立」と名の付く劇場がしばらくの間不在の状況は、日本の文化芸術の促進においては大きな痛手なことは、言わずもがなです。
「劇場」不在がもたらす新たな鼓動
劇場の閉鎖は、公演の縮小を意味します。それは「芸を磨く」という機会の断絶をも意味しています。
歌舞伎や文楽はもちろん、舞踊、邦楽、雅楽、声明、民俗芸能など多々ある古典芸能の披露の場であった国立劇場の不在は、各芸能とそこに携わる人々を路頭に迷わせる危険性さえ生じさせています。
しかし今、「国立劇場主催公演」として、数は少なくなったものの、公演は首都圏各地で引き続き行われています。
国立劇場の雰囲気に慣れ親しんだ方には、趣の違った舞台を見るという新鮮さを感じてもらえるものになっているでしょう。