縄文時代の住居から〝美しすぎる石器〟発見される 長野・井戸尻考古館「使わず、眺めたり、人に自慢していたんだろうな」 (1/2ページ)
ある縄文人にとって、それは宝物だったのかもしれない――。
2026年6月4日、長野県諏訪郡富士見町にある「井戸尻考古館」の公式Xアカウント(@idojirikoukokan)が紹介した「黒曜石の石鏃」が注目を浴びている。
「鏃」って何? 読めない! と驚いた読者もいるかもしれないが、「鏃」は「やじり」または「ぞく」と読む。そう、弓矢の先端に取り付ける武器である。狩猟や、戦いの際に使用されるのが一般的だが、儀礼に用いられることもあったらしい。
それが、まるで宝石のようにキラキラと輝いている。黒曜石というと真っ黒なものだと思っていたが、これは透明だ。
この美しい鏃について、井戸尻考古館は次のように続ける。
「欠けもなく、住居から見つかったこの石鏃、たぶん一度も使われていません。完璧な仕上がりのこの石器を、大事に持っていた縄文人。時には眺めてふふっとしたり、人にみせて自慢したりしていたかもしれません」(井戸尻考古館の公式Xアカウントの投稿より)
なんともロマンチックな推察に、Xには9500件を超えるいいねのほか、こんな声が寄せられている。
「なんて綺麗な鏃!」「これが矢じり? 美しすぎる」「古代の人が使わずに大事に取っていた、会心の出来の黒曜石の矢じり美しい」「使いたくなかった気持ち凄く分かる。 それほどまでに美しい鏃だ」「出来が完璧すぎてもったいなくて使えない説わかる」「縄文人すげぇ」
縄文遺跡から発見された「黒曜石の鏃」とはいったいどんなものか? 井戸尻考古館に詳しく聞いた。
縄文人の姿が浮かんでくるような一品井戸尻考古館Xアカウントの中の人によると、話題の「黒曜石の鏃」は日向遺跡13号住居址から出土したもの。「長野県富士見町の境という山梨県の県境にあたる地区に所在します。井戸尻史跡公園の道を挟んで上側です」とのこと。
同じ家から出土した土器の情報から、縄文時代前期(今から約5600年前)のものと思われるという。
遺物の「洗い」をしていた作業員さんが、「すごくきれいな矢じりが出てきた」と教えてくれたそうだ。