世界で“japan”と呼ばれる日本の漆工芸、9000年前の縄文時代にすでに技巧の基礎は完成していた! (2/3ページ)

Japaaan

彼女は、母であるオーストリア・ハプスブルク家の女帝マリア・テレジアから50点もの漆工芸品を相続し、その魅力に取り憑かれ、自身も熱狂的なコレクターになったのです。

漆に金銀の粉で華麗な文様を描いた金蒔絵や、虹色の貝殻をはめ込んだ螺鈿など、贅を尽くした漆工芸品を、彼女は宮殿の自室に飾って日々愛でていたといわれています。

定説を覆す?縄文時代の高度な漆技術

ヨーロッパでこれほど漆工芸品に注目が集まった理由の一つは、ウルシの木がアジア以外では育たず、西洋の人々にとっては「未知の素材」だったからです。

そんな漆工芸の起源は、長年、約7000年前の中国・浙江省(せっこうしょう)の遺跡とされ、その技術が日本列島へと伝わった可能性が高いと考えられてきました。

ところが近年、この定説を揺るがす大発見がありました。北海道函館市の垣ノ島(かきのしま)遺跡から、約9000年前の縄文時代のものとされる漆塗りの副葬品(装飾品)が発見されたのです。これが世界最古の漆工芸品である可能性が浮上し、日本独自の起源説も語られるようになりました。

また縄文時代の早い時期の福井県や山形県などの遺跡からは、漆塗りの木製の器や、漆を塗り重ねて幾何学文様を描いた土器、さらには巻貝を螺鈿のようにあしらったものまで見つかっています。

是川石器時代遺跡 木胎漆器出土状況  出典:JOMON ARCHIVES ・八戸市教育委員会

これら漆工芸に使われるウルシは、本来、日本列島には自生していなかった外来種のウルシの木から採取したと考えられています。縄文人はそのウルシの木を管理・栽培し、計画的に樹液を利用していたようです。

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